第45話
瘴気が渦巻く交易都市ナバーラの門に近付けば、門の近くから離れていなかったアンデットモンスターたちが居た。
聖気を1発の弾丸にするのではなく、魔力銃の最大の6発分の聖気弾に変えて門の周りのアンデットモンスターの頭部を狙って引き金を引いていく。
一度引き金を引き、すぐに俺は次のアンデットモンスターへと銃口を向けて引き金を引いた。
それを繰り返すこと6回、それで6体のアンデットモンスターが頭部を破壊されて地面に転がって動かなくなる。
「丁度、門の周りが6体だけで良かった。」
倒し終わったアンデットモンスターがスケルトン系のアンデットモンスターだった為、魔石の回収は簡単に済むが、今回のアンデットモンスターはドロップアイテムを落とさなかった事は残念だった。
どのアンデットモンスターもレベル3の強さを持つアンデットモンスターだったのだからドロップアイテムが手に入っていれば、いずれ町に行ったときにそれなりの値段で売れたはずである。
残念な気持ちもあるがそれよりも門の先にある交易都市ナバーラから流れ出している瘴気に意識を向けた方が良いだろうと門の先を見ていく。
濃度が濃い瘴気で10メートル先の景色がしっかりと見えない中で、俺は交易都市ナバーラの中に入って行った。
俺が歩く以外のアンデットモンスターが歩いている音やスケルトン系の骨と骨がぶつかる音にゾンビ系の唸り声が何処からか聞こえて来る。
まるでホラー映画の中に入り込んだかの様な緊張感を持って探索を行なっていく。
「(石造りの家が多いんだな。)」
『私の国が近かったからよ。石材がナバーラで良く売れていたわ。』
「(だからか。)」
そう納得しながら石畳の上を歩きながらそんな事を周りの見える範囲の家並みを見ながら心の中でエリーゼと会話をする。
「ッ!?」
ガタンッと音がして音のなった方向を確認すれば、扉が木製の為に朽ちていた石造りの家の中からゾンビ系のアンデットモンスターが現れる。
出て来たのはグールだった。魔力感知で分かる瘴気と魔力からして大体だがレベル3だろう。
そんなグールに向かって魔力銃を向けると、グールは唸り声を上げて俺に向かって突っ込んで来る。
そのグールの移動スピードは目で余裕に追える程度の速さだ。これなら狙いを付けて引き金を引けば問題なく命中するだろう。
銃口をグールの頭部に狙いを付けて引き金を引けば、銃口から聖気の弾丸が放たれグールの頭部が弾け飛んだ。
一瞬で浄化して弾け飛んだ頭部の失ったグールが地面に倒れると、ピクピクと痙攣してすぐにグールの身体は動かなくなる。
もし万が一だがグールが動き出しても良い様にグールに近付くと、グールの足を思い切り蹴り飛ばした。
死んだと確信すると、俺はすぐにグールの魔石を胸をから取り出した。これで他のアンデットモンスターに荒らされて魔石を捕食される事はないだろう。
それに石作りの家の家探しが終わった頃にはドロップアイテムがあるかも知れない。
そんな事を思いながら家の中を警戒しながら入ったのだが、木製の家具の類いは朽ちて残骸が残っているくらいだ。
その代わりに金属や陶器などで作られた物は限界を保ったままで残されている様だが、陶器は割れている物が多い。
聖なる腕輪オルゴーの中に収納可能な数や大きさは幾らでも入るくらいだ。壊れた陶器も含めて回収可能な物はオルゴーの中に収納していく。
でも瘴気が回収した物品に込められてしまっているので、これをどうにかするのなら聖気で浄化してからにして置いた方が良いだろうな。
初めて入った石作りの家の中にはアンデットモンスターが居なかった事もあり、そこそこ警戒していたのだが問題はなかった。
そして、俺が石作りの家から出るその前に周囲を確認してから出て、魔力に変わったグールのドロップアイテムがないかを確認したが、残念ながらグールのドロップアイテムは落ちていなかった。
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