第44話
「残りはアイツだけだ!」
『聖気の準備は出来たわ!』
残りのアンデットモンスターはレベル5のアンデットモンスタージェネラルグールだけになった。
そのジェネラルグールも身体に纏う瘴気は聖気ブレスに引き剥がされ、その身体に聖気の弾丸が撃ち込まれて内部から浄化されている。
それでもまだ動けているのはそれだけレベルの高いアンデットモンスターは肉体に高濃度の瘴気を宿しているからだろう。
まだ聖気を使用した罠が残っているが、ここまで減らしたのだからこのままジェネラルグールを倒しておきたいところだ。
「まずはあの足をどうにかしないと直撃弾が決まらない!エリーゼ!!」
『聖気を送ったわ!放ちなさい!!』
魔力ブレスの手甲をジェネラルグールに構えて拡散された聖気ブレスが放たれる。
これだけの範囲攻撃だとすごい速さで移動も可能なジェネラルグールでも回避は不可能だろう。
それでも拡散させたせいで威力が落ちただろう。まだ油断があった時に決まった聖気弾が腕ではなく胴体に直撃していれば、それでジェネラルグールは倒せたはずだからだ。
『聖気を送るわ!これで決めなさい!!』
「ああ!!これで本当にトドメだ!!!」
エリーゼから送られて来た聖気が魔力銃へと入り込むと、俺は聖気ブレスを受けて動きが鈍ったジェネラルグールに聖気弾を直撃させる。
それも狙っていた通りにジェネラルグールの胸部へと直撃でだ。聖気弾がジェネラルグールの体内に食い込むように入り込んでいくと、ジェネラルグールの体内で聖気の弾丸は破裂してジェネラルグールの体内で聖気が撒き散らされていく。
体内から聖気で浄化されるジェネラルグールは苦しみ悶えながら膝を突いて苦しんでいる。
そのまま身体を浄化されて地面に倒れ込んだジェネラルグールは、その身体のすべてを聖気で跡形もなく魔石とドロップアイテムを残して消えていくのだった。
「はぁーーー終わった。」
交易都市ナバーラから溢れ出て来た第二陣のアンデットモンスターの軍勢を倒し終わった俺は、その場で倒れ込みそうになるのも堪えて魔石とドロップアイテムを道具を使って回収だけ済ませていく。
これで万が一にもアンデットモンスターが魔石やドロップアイテムを捕食して強化や進化する個体は現れないだろう。
交易都市ナバーラの門が見渡せる位置に椅子を持って来てから、俺は椅子に座って休憩に入る。
魔力の回復の為の魔法薬を飲んで魔力の回復に努めながら、山の様な魔石とドロップアイテムの山を聖なる腕輪オルゴーの中に収納していく。
「三陣は来ないな。」
『今日は終わりかも知れないわね。アカメは仮眠を取りなさい。流石にこのまま寝ずに朝まで待つのは駄目よ。』
「そうさせてもらうよ。流石に眠らずに明日のナバーラ侵入は危険だからな。」
俺はエリーゼに警戒を頼みながら仮眠を取る事にした。椅子に寄り掛かりながら目を瞑ると、身体は休息を取りたかったのかすぐに眠りに入る。
「ふぁーー、おはよう。エリーゼ。」
『おはよう、アカメ。』
聖なる結界の外を見ると既に空は太陽が登って青空だった。どうやら第三陣のアンデットモンスターは交易都市ナバーラから現れなかったようだ。
これが交易都市ナバーラ内のアンデットモンスターの枯渇なのか、それとも上位のアンデットモンスターがナバーラ内で待ち構える作戦に変えたのかは分からない。
それがハッキリするのは今日の交易都市ナバーラの探索の時になるだろう。
俺は朝食を食べて最大まで回復した自身の魔力と聖なる腕輪オルゴーの魔力を最大まで魔力が貯まっていない魔導具の魔力を貯めていく。
食事中の飲み物は魔力回復系の魔法薬で済ませた朝食を終えた俺は身体を解してから交易都市ナバーラへと向かった。
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