物語はクラス会で仲の良かった友達との会話から始まる。筆者の実体験をもとにした本作は、なにとない会話の数々には共感するものもある。多感な時期故の少し斜に構えたような、しかしそれがその時の自分だったのかもしれない。深い霧が今回の作品のキーワードだと思った。良く見えない、何かを隠している。都合の悪い物なのか、なんなのか、誰かが死んだのか?それすらも不確かでふんわりとした、得体のしれないもの。「よくわからないまま。今もこうして生きている。」本作を読んで背中を誰かになぞられたような不気味な感覚に至った。
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