第39話 盲ろう(障がい)

 ある人の講演会で、ヘレン・ケラーの話を聞いて、ふと思いました。

「そういえば、ヘレン・ケラーって『聞こえない』し『見えない』んだった!」


 小さい頃に読んだ『偉人伝』のような物で、知ってはいました。ですが現在、聴覚障がいについて知る機会が増え、知識がついたからこそ、あらためてヘレン・ケラーはスゴイ!! と思うのです。

 いや、もちろんサリバン先生がスゴかったのは、間違いありません。



『盲ろう』という言葉があります。

 その言葉の通り『盲』(見えない)で『ろう』(聞こえない)の人です。

『盲ろう』は、完全に見えず、聞こえない方だけではありません。

 完全に見えず難聴。ほとんど見えない上に全く聞こえない。あまり見えないし、あまり聞こえない。など、様々なパターンがあります。

 なかなか定義づけるのは難しいですよね。


 なにをもってして『盲ろう』とするか。

 いまのところは、正式にコレというものは無いようです。ただ、全国盲ろう者協会では『身体障がい者手帳に視覚と聴覚の両方の障がいが記載されている人』と、一応の定義はしています。

 けっこうアバウトな気もします。(全く数値化されていないので)

 一番軽い人と、一番重い人では、大きな差がありそうですね。


 厚労省による調査で、日本の盲ろう者数は、1万4千人と言われています。


 さて、私が『盲ろう』の方のことで気になったのは、コミュニケーション手段でした。

 これは、盲ろうの状態によって違うようです。

 完全に見えないのか、少しでも見えるのか。完全に聞こえないのか、少しでも聞こえるのか。

 弱視の場合は、筆談や手話で話すことが出来るでしょう。

 では、重度の盲ろう者だったら?

 代表的なものですが、次のような方法があるようです。


【指点字】

 盲ろう者の指を点字タイプライターの6つのキーに見立てて、左右の人差し指、中指、薬指の6指を直接打つ方法。


【触手話】

 話し手が手話を表し、盲ろう者がその手に触れて読みとる方法。

 また、話し手が盲ろう者の、手や指を持って、手話の単語を作っていく方法もある。

 * 指文字(ローマ字式、日本語式)も同様。


【点字筆記】

 点字タイプライター(ブリスタ)や、コンピューターで点字ディスプレイに出力する。


【手書き文字】

 手を取り、手のひらに指先などで、ひらがなカタカナ、漢字などを書いて伝える方法。


 先天的、後天的、もとから使えた伝達手段の有る無しにより、前文の中から1つないしそれ以上選ぶようです。



 最後になりましたが、盲ろうの方とコミュニケーションをを取るときに、大切なポイントを上げておきます。


・ 自分の名前を伝える。

・ 手や肩に触れてから行う。

・ 話し始めたら盲ろう者にいつも触れておく。

・ 盲ろう者の言葉に『あいづち』を打つ。

 盲ろう者の方や手を軽く叩く。

 手話表現で『うなづく』など。

・ 盲ろう者に話が通じているか、常に確認。

・ その場を離れるときは、盲ろう者に伝えてから離れる。




 

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