第29話 僕らには僕らの言葉がある(マンガ)
『僕らには僕らの言葉がある』(作 : 詠里)は、マンガで全1巻しかありません。
タイトルの『言葉』とは『手話』や『筆談』のことです。
内容は、ろう者のピッチャーが転校してきて、毛嫌いされているキャッチャーと、バッテリーになる物語。
と書くと、ありふれた内容に思われるかもしれませんね。
1冊で終わっているから、大した内容でもないだろうと、私自身も思っていました。ですが、構成が素晴らしいのです!
ろう者の視点から見た学校、聴者から見たろう者。それが共に描かれていて、より深く物語を感じられます。
主人公の1人(話により主人公が替わります)。ピッチャーの真白(読唇も口話も出来ない)が転校してきた日に、朝礼で指文字の紙が全校生徒に配られ、ろう者であることが手話通訳により説明されます。
その時の生徒達の冷ややかな反応。
キャッチャーの野中も、ろう者の真白には興味なく、指文字の紙をクシャクシャにして、ポケットに突っ込んでしまう。
そんな始まりから、二人が出会って理解するまでの物語。
続編希望の名作です。
ろう者の母が、自分の子供だった頃を思い出す話があるのですけれど、感情が揺さぶられまくりです。(ネタバレになるので、多くは語れませんが)
聴者の母親の話もステキで、息子が ろう者の同級生と一緒に野球をしていると知り、誤解する話とか。
大きな事件があるわけではなく、何か世の中を変えようとしている物語でもありません。ある意味、淡々とお話は進んでいき、だけどそこに救いのある物語。
どちらかといえば、手話を知らない人にこそ、見て欲しい作品です。
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