第20話 黒柳徹子

 黒柳徹子さんと言えば、テレビ放送開始(1953年)から出演してらっしゃる人として有名ですよね。いまもテレビに出演している(『徹子の部屋』はギネス記録)ので、ご存知の方も多いかと思います。

 ですが、ろう者との関係については、あまり知られていないのではないでしょうか?

 実は『ろう者』と『黒柳徹子さん』は、浅からぬ関係があるのです。


 では改めて黒柳徹子さん(1933年生まれ)について、見ていきましょう。


 黒柳さんといえば『ユニセフの親善大使』(1984年から)としても有名です。


 幼い頃にもらったパンダのヌイグルミがきっかけで、パンダの研究を開始。結果『日本パンダ保護協会名誉会長』もされています。


『窓ぎわのトットちゃん』(1981年発売)はベストセラーになり、その印税をもとに、社会福祉法人トット基金(ろう者、身体障がい者の為の、通所支援施設)を設立。アメリカの ろう学校の生徒たち(劇団『デフシアター』)を、日本へ呼んで公演を経済的に支えました。


 他にも、トット基金で日本初である『ろう者の劇団(※1)』を作った(1980年4月)1人でもあります。

 手話狂言(※2)などで、ご存知の方がいるかもしれません。


 黒柳徹子さんは、日本ろう者劇団の理事長でもあります。

 そのこともあってか、NHK『みんなの手話』のシュドラというヌイグルミの声を担当。


 手話が、まだ言語として認められていなかった頃に『紅白歌合戦』で手話をしたことは、知る人ぞ知る伝説です。


 あの『窓ぎわのトットちゃん』にも、ほんの少しだけですが、ろう者の手話を初めて見た時のエピソードが載っています。


 黒柳徹子さんが、偏見や差別を無くすためにされてきたことは、もはや書き切れません。

 こんな黒柳徹子さんが、小学校を1年で退学させられた過去があるというのも、有名な話です。(『窓ぎわのトットちゃん』は、退学させられたあとに通うところとなった学校が舞台です)



※1 (旧『東京ろう演劇サークル』。現在は『日本ろう者劇団』と改名)


※2 舞台上で演者が、セリフを手話で表現し、その所作に合わせて、狂言師が袖で発声を行うもの。

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