第19話 情報保障

『情報保障』と聞いて、私は何のことやらサッパリわかりません(予想がつきません)でした。

 聴覚障がい者は、を保障されるものだと良く聞きます。ですが、なぜか『知っていることが前提』という話の流れが多く、謎の領域でした。


 正解は『身体的なハンディキャップにより、情報を収集することが出来ない者に対し、代替手段を用いて情報を提供すること』だそうです。

 主な者として『聴覚障がい』となっていますが、他の障がいでも当てはまれば、情報保障を受ける権利があります。

 情報を入手するために必要なサポートを保障しようというもの。だから、情報保障なんですね。


 聴覚障がいの方以外にも、視覚障がいや、知的障がいの方でも、多くの場面で『情報保障』が当てはまります。

 ただ日本では、残念ながら強制力や罰則のようなものが、無いに等しい状態です。


 学校などでの『情報保障』は、各学校によって差が大きいようです。

 協力的なところは、先生や職員の方々も、積極的に方法を考えてくださっているようでした。マイク(音声を文字変換する)やプロジェクター。授業の情報を流すために!ミニ放送局のようなものを作っている学校もあります。

 そうかと思えば、翻訳用のマイクがあっても、それを使いたがらない人。マイクを置いて(授業の声を拾いきれない)使う人もいて、協力的な学校にもいろいろに人がいるようです。


 もちろん、一日中ずっと、要約筆記やPCテイクが付くことは、難しいでしょう。

 自分で音声認識ソフトを使えば、良いと言う人もいます。

 確かに、精度も昔と比べると良くはなってきました。ですが、やはり誤訳もあるし、ホワイトボードに向かって、書きながら話したりすると、もうおしまいです。


 要望を学校側に言うとして、それを説明する(話すにしろ、文章にするにしろ)のには、更に労力が必要です。

 学校が聴覚障がい者一人だけのために、どこまで動いてくれるのか。難しい問題です。

 なので、ろう者にとってのは、聴者よりも更に大変なようです。


 もちろん情報保障は、学生だけのものではありません。社会に出ても、必要なことです。


 よく、電車が止まってアナウンスがあっても、ろう者の方はわからなくて、不安だと言います。

 見えない人が「事故があって、電車は動かきません。乗り換え運転していますので、別の電車に乗り換えて下さい」と言われても、降りたことのない駅から、知らない電車に乗れるわけもありません。


 もっと、上手くいくやり方は無いものかと、もどかしくも思います。

 とりあえず、困っている人がいたら、

「お困りのことは、ありませんか?」

 と、声を掛けるところから始めたいものですね。


 アメリカの情報保障は、もっとシッカリとしていて、罰則のある法律で決まっている(州にもよると思いますが)ようです。

 なので、コンサートなどに手話通訳が付いたりして。

 しかも、もう、体でリズムを刻んで、ノリノリだし!(見ていて面白い)

 まあ、アメリカは日本と違い、手話通訳士だけで食べていける環境だったり、もっと習いやすい環境にあるようなので。

 日本では、手話通訳士だけで食べていける人は一握り。そもそも手話通訳士が少なく、困っているくらいです。

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