第22話 齋藤陽道

 齋藤陽道さんは、ろう者の写真家の方です。(奥様も写真を撮られています)

 

 実を言うと『齋藤陽道』という名前は、数年前から聞いて知ってはいました。

 テレビで、奥様やお子様達との日常を追いかけた、ちょっとしたドキュメンタリーを見ていたのです。

 奥様は齋藤陽道さんと同じく『ろう者』ですが、お子様は2人とも『聴者』でした。

『ろう者』が『聴者』の子供を育てるというのは、なかなか大変なようです。


 何人か『手話関係者』が、オススメで齋藤陽道さんの本を紹介しており、それが『異なり記念日』という本でした。

 齋藤陽道さんは写真家ですが『異なり記念日』はエッセイです。

(写真も、少しだけありますけど)

 まだお子さんが出来る前、妊娠、出産、子育て。様々なことが書かれています。


 特に私が引き込まれたのは、最初の方のエピソードなんですけど。

 車に轢かれた動物の遺体を、そのまま放っておけずに、埋めてあげる話があります。齋藤陽道さんは、いつも死体を見かけると、その度に埋めてあげるそうです。

 これ、ものすごくわかります。あまり人に言うと引かれるのですけど……。

「気持ち悪い」と言うより先に、なぜ「可愛そう」と思わないのだろう? と。

 だから、同じ感覚の人の存在に、なんだか救われた気持ちになりました。

 齋藤陽道さんの奧様も、同じ感覚のようで、嬉しさ2倍です!

 前半かなり真面目な感じですが、後半はもっと砕けた感じになるので、安心してご覧いただけるかと思います。


 齋藤陽道さんは、ユーモアに溢れた文章や、イラストも描かれており、NHKでアニメにもなりました。

『しゅわわん!』という、ほのぼのした子供向けの作品です。お子様お二人(聴者)と齋藤夫婦の、微笑みエピソードとでも言いますか。気づきの物語。

 アニメで、3頭身くらいですが、ほとんどの手話が実際に読み取れますので、実は勉強にもなります。


 そして、かなり癒されます。


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