第25話 ろう者の講演会

 講演会にも、様々なタイプがあります。


 ろう者について、聴者が語るもの。

 ろう者について、ろう者が語るもの。

 自分のこと、一般論、ボランティア活動。


 お客のほとんどが聴者のものもあります。逆にお客どころか、受付やスタッフまで全て『ろう者』の講演会もありました。


 私は、その全てに行ったわけではありません。ですから、あくまで私が感じた個人的な意見です。


 聴者の参加率が高いものは、どちらかといえば初心者向けが多いような気がします。

 ただ、聴者に向けられたものですから、ろう者にとっては退屈かもしれません。

『聴者の見た、当たり障りの少ない ろう者の話』みたいなものが、多いようです。


 逆に、ろう者の参加率が高いものは、上級者向けが多いような気がします。

 まあ、対象がろう者なのですから、当然といえば当然ですね。

 ただ、なかには聴者を嫌っている、ろう者のかたもいます。

 私が以前いった講演会は、世界的にも有名な ろう者の方(海外にある ろう者だけの学校の講師)でした。スタッフ、受付、全てろう者。通訳者は聴者でしたが、お客も98%くらいは、ろう者の方でした。(聴者は手を上げる場面があったので)

 午前の部は、まだ良かったのですが、午後の部は痛烈な聴者批判が続きました。

 満員御礼の市民ホールで、ステージを歩きながら手話をし、それが大画面に写されるのです。(この方は、日本手話も出来て、しかも上手い)

 そこでの聴者批判を、ろう者の中で見るというのは、なかなか厳しい物がありました。


 恐らく、酷い差別を受けてきたのでしょう。友人や知人に、恵まれなかったのかもしれません。

 聴者の中にも、あからさまに障がい者を嫌う人がいます。そして差別もする。


 どこかで、この負の連鎖を断ち切るわけにはいかないのでしょうか?

 若い人ほど、柔軟な気がするので、何十年後とかは良くなっているのかも。


 講演会は、本やテレビとは違って、心に直接響くものがあるように思います。だから、ぜひとも機会があれば、みなさんにも行ってもらいたいのです。

 ただ、どのような講演会か、ある程度調べて(調べても、思っていたものと違うことはありますが)から参加していただきたいと思います。


 今回は、脅すような形になってしまったかもしれません。

 ただ基本的には、楽しいものや、笑えるもの、感動して泣いてしまったり。様々なものがあるので、仮に失敗してしまっても、1度の失敗であきらめず、再度参加していただきたいと思います。

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