第24話 日本手話と日本語対応手話

 これは、よく論争になっている話を聞きます。

 なので、話題にあげない方が良い内容かもしれません。でも、手話と関わろうとするかには、避けては取れない話題でしょう。


 日本手話と日本語対応手話の、違いは何かというと、1番大きなのは語順でしょう。

 日本語対応手話は、日本語と同じ順番で、言葉を手話に置き換えただけのものです。それに対して日本手話は、独自の語順と、表情、口形、頷き等を組み合わせることにより、より豊かな表現が出来ます。

 ただ、日本手話は同時に表現しなければならないことが多く、語順や表現も日本語対応手話とは違います。なので、『日本手話の思考』が必要になるわけです。


 文字のない独自の言語を、大切にすることには賛成です。

 ただ、後天的に『聴覚障がい(とうに高齢者)』なられた方や、周りに聴者しかいない『ろう者』の方にとっては、高いハードルです。


 実は、これの逆の問題もあります。

 日本手話を使う、ろう者にとって、日本語は難解なのです。なので、文字を読むことは出来ても、内容が理解できない方もいます。

 これは、考えてみれば当然で、直訳した英語の文章を見て、内容を理解しろというようなものなのですから。


 ろう者のかたで、筆談を嫌う人の中には、聴者の文章が理解できないからという場合もあるのです。


 では、どうすれば良いのか?


 私は、日本手話、日本語対応手話、筆談、手段は何であれ、伝えられるなら、良いのではないかと思うのです。伝えることが1番の目的なのですから。

 否定しあうより、認めあう。そうすれば、やがて相手に歩み寄ることに(互いの言語にも興味を持つ)なるのではないかと。


 綺麗事だと言われるかもしれませんが、まず誰かに伝えなければ、綺麗事ですらありませんから。

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