第5話 デフリンピック(国際競技)

 パラリンピックは知っていても、デフリンピックを知らない。そんな人が、残念ながら多いのが現状です。


 デフリンピックが初めて開催されたのは、1924年にフランス。

 パラリンピックが初めて開催されたのは、1948年にロンドン。

 歴史的にみれば、デフリンピックの方が古くから行われてきました。

 一時期は、パラリンピックと一緒に行われていたこともあるようですが、現在は全く別になっています。


 なぜ、障がい者の競技大会なのに、わざわざ『デフリンピック』と『オリンピック』は別れているのか? 疑問に思われる方もいることでしょう。

 答えは、そもそもの成りたちが違うのです。


『デフリンピック』は、ろう者のためのスポーツ大会として。

『パラリンピック』は、第2次世界大戦で負傷した兵士たちの、リハビリの一環として行われたのが始まりです。


 話は戻ります。

 2025年。ついに開催(11月15-26日)地が日本になりました! と言っても、あまり興味を持ってもらえないのは、認知度が低いせいでしょうか。

 日本でのデフリンピック開催は、初だというのに。


 デフリンピックをわかりやすく説明すると、聴覚障がい者のオリンピックです。

 オリンピックですよ!

 にもかかわらず、いままで海外への遠征費用は個人が負担する場合がほとんど。優遇されているとは、とても言えない状況です。

 前大会はコロナ渦ということもあり、デフリンピック途中で、日本選手は帰国指示を受けてしまいました。

 これから試合のある選手や、メダル目前まで来た選手も、泣く泣く帰国したのです。

(しかも自費なのに)

 いままで4年間頑張ってきて、練習も遠征も自費で出して、なのに何も出来ずに終わる。その絶望感たるや、想像の上をいくものだったと思います。

 日本も選手のことを思っての決断ですし、誰が悪いというわけではないのですが。

 逆に誰も悪くないことが、選手にとっては辛かったことでしょう。


 2025年は、海外のろう者の方が日本へ多く来ることが予想されます。

 手話だけでなく、もっと心のバリアフリーが進むことを願うと共に、陰ながら協力させていただこうと思っています。

 そして、みなさんも選手の方々を応援しましょう!

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