第41話 コーダ(ろう者の子供)
コーダについては、定義が幾つかあるようですが、ザックリ言うと『ろう者の親から生まれた子供』のことをいいます。
その子供が、聴覚に障がいが有っても無くても、コーダと言われることが多いようです。
また、聴覚に障がいがあるのが、親の片方でも両方向でも、子供はコーダと言われる場合が多いとか。
地域や人によっては、両親とも『ろう者』である場合のみ『コーダ』と呼ぶところもあります。
ちなみに聴覚障がいの兄弟は『ソーダ』と言うらしいです。
「聴覚障がいを持つ人の子供を、なんで『コーダ』なんて呼ぶの?」
と、思われたかもしれませんね。
このコーダという言葉は『CODA』と書きます。
『Children of Deaf Adults』の略で、1994年にアメリカから日本に入ってきた言葉です。
聞こえるコーダの多くは、幼い頃から親の手話通訳を、させられる人が多いといいます。
難しい言葉や、他の大人から親に対する嫌な言葉も、聞かされます。大人と両親の間に立って、精神的苦痛を受けることも、少なくありません。
結果として、幼いころから『ろう者』の立場の低さを知らされる人が多いようです。
自分が友達と遊びに行きたくても、親の通訳の為に遊びに行けない人もいると聞きました。
その一方で、子供に負担をかけないようにする親もいます。
子供は親のために通訳しようとするのですが、親は将来を考えて『聴者』の世界を優先させるのだとか。
両親共に、聴覚障がいがあり、子供が聴者の場合、言葉の発達を心配するのです。
特に先天的に聴覚障がいがあり、重度で全く聞こえない両親だと、言葉を教えることが非常に困難ですから。
また『ろう者』である親に反発して、手話を覚えないコーダもいます。
ですから『コーダ=手話の達人』と、必ずしも言えません。
コーダである事を隠す人もいます。
それだけコーダという存在は、複雑な背景を背負っているのです。
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