第40話 バリバラ(障がい者情報番組)

『バリバラ』というテレビ番組があります。

 バリバラは、バリアフリー・バラエティーの略で、その番組名が示す通り、障がい者のバラエティー番組(NHK)です。


『障がい者』と『バラエティー番組』との組合せ。なかなか斬新ではないでしようか?


 障がい者というと、どこか『頑張っている』『かわいそう』『関連するのは、まじめな番組』というイメージが付きがちです。

 事実そんなものばかりでした。

 ですが、障がい者だって人間です。

 ふざけることもあれば、恋バナもするし、性的な悩みもあります。ただ、いまの世の中は、それを言える雰囲気ではないだけ。


 この『バリバラ』のスゴイところは、出演者やコメンテーターなどが、ほとんど障がい者であること。

 車椅子だったり、脳性麻痺だったり、聴覚障がい者の方や盲の方が出ることもあります。知的障がい、精神的なものまで、当事者が語ることも、珍しくはありません。


 とても重い話もあります。が、胃ろうでありながら、アルコールを飲む人がいたり。聴覚障がいでも、ライブを楽しんでいるとか。

 私は偏見を持っていないつもりでしたが、認識不足だということに、気付かされました。

 盲ろうの人だって、球場で野球を感じたら、楽しかったりする。旅行に行くのだって、面白い。見る聞く以外でも、感じられるんだと。

 自分の障がいはどのようなものなのか、何か出来て、何が苦手なのかも、教えてくれたり。とても、勉強になります。

 いや、勉強というより、ためになるというか。

 様々な障がいというカテゴリーを通して、本当の意味で『人』とは何なのか? 教えられているような気もしました。


 他にも、将来の不安、差別、福祉の問題、障がい者のお笑い、障がい者同士の結婚などなど。本当に様々なことを、当人が語ります。

 この、当人というのが、とても大事だと思うんです。

『下手に触れてはいけない話がある』と、障がいのない人がビクビクして出来ない部分を、アッサリ飛び越えてくるのです。


 そして思うのは、彼・彼女等も『普通の人』なんだということ。バカやったり、エッチなことを考えたりもする。そして、嫌なことを言われれば、当然傷つくし、落ち込むのです。


 この番組を見たお陰で、理解が深まる障がいもあります。知らなかったような種類の、障がいもあると思います。


 生きるとは、どういうことなのか? それを考える上でも、ぜひ見ていただきたい番組だと思いました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る