第31話 ろう者の価値(事件)
人の価値とは何で決まるのでしょう?
生まれた環境でしょうか?
社会的な地位でしょうか?
障がいの有る無しでしょうか?
そんなことを考えてしまう事件がありました。
2018年 大阪生野区で、ろう者の女の子(当時11才)が、歩道に突っ込んできたホイールローダーに至近距離から激突され、死亡しました。
裁判では、その女の子か将来得るであろう賃金を、被告人が支払う流れになりました。
そこまでは、普通の交通事故の裁判と、同等の流れです。問題は、その先でした。
被告側は、その支払う金額を、女性労働者の平均賃金の4割だと主張したのです。後にそれは撤回したものの、今度は6割の平均賃金で、賠償金を計算するようにと主張しました。
理由は『聴覚障がい者は、就職自体が難しいから』というものでした。
当時、その事件は聴覚障がい者の間で、かなり話題になりました。
沢山の署名も集められました。
判決が出たのは5年後のことです。
2018年当時の聴覚障がい者の平均収入の85%が妥当という結論になりました。
『聴覚障がい者は聞こえる人よりコミュニケーション能力が劣っているので、労働能力も劣るという医学的モデルに基づく個人の責任を理由として逸失利益は、労働者全体の平均賃金の85%……』
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