第27話 ろう者とLGBTQ
ろう者にも『LGBTQ ✳(下記参照)』の人はいます。それって当たり前ですよね。でも、当たり前だとは思わない人もいます。
恥ずかしながら、かくいう私もそうでした。
正確に言うと、考えればわかることなのに『抜けていた』のです。
テレビやマンガの中に出てくる『ろう者』のイメージを、知らず知らず一般的なろう者と決めつけてしまっていたのでしょう。
手話を習い始めて間もない頃。
ある番組で、ろう者の女性カップルが出て来て、私は驚きました。そして、驚いている自分に、もっと驚きました。
ろう者でも聴者でも、LGBTQの方の割合は変わりません。同じ人間なのですから、それは当たり前です。
(12.5人に1人と言われています)
ただ、テレビで『LGBTQのろう者』を見る機会が無い為、いないものと勝手に意識の奥で勘違いしていたのでしょう。
この誤った認識は、まんざら私だけではなかったようでした。
みなさんは、LGBTQについて、どれだけご存知手すか?
聴者の得られる情報の、全てが『ろう者』に伝わるわけではありません。
これは、手話通訳が少ないことや、ろう者と聴者の人口の割合も、少なからず関係しています。
まず聴者へ伝える情報があり、その中から優先順位の高いものから、ろう者に対して伝える(手話通訳やメディアを通して)わけです。
これは国が障がい者に対して、割くことの出来る予算が決まっているから、仕方の無いことでもあります。限られた予算は、人命に関わることが、まず優先です。
民間では、お金にならないことに、お金は使えません。(ろう者の人口が、聴者より少ない為)
他の回でもお伝えしましたが、ろう者の方には『日本語は読めるけど、内容を理解するのが苦手』な方も、かなりいらっしゃいます。
「LGBTQのことなんて、それほど重要とは思えない」
と言われる方もいます。ですが、LGBTQの本人やご家族はどうでしょう?
LGBTQについての知識が無い人にとって、人と違うことは不安でしかありません。自分は頭がおかしいか、それとも病気なのかと、絶望した人も少なくないようです。
自殺を考えたり、実際にお亡くなりになった方も、いるのが現実です。
「そんなふうに生んでしまって、ごめんなさい」と、あるLGBTQのろう者は、母親から言われたそうです。
いまは、ろう者にもLGBTQの知識を持ってもらおうと、いくつかの団体が活動をしています。
映画監督 今井ミカさんは、ろう者のLGBTQについての作品なども作られています。
ご自身、ろう者でLGBTQの当事者です。
✳ LGBTQは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クィア、クエスチョニングの頭文字を取って名付けられた、幅広いセクシュアリティ(性のあり方)の総称です。
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