第112話 「父の叱責~族長セツラ誕生」
「長子ルベン!次男シメオンよ!
お前達は、幼き妹を思いやり、人生の先輩として、道しるべとなるべき存在であったのに、実に愚かな・・愚かな・・愚かな・・死人を飼いならすように無慈悲で破滅と絶望の道を歩んでいたというのか!!!
妹セツラは死んでいたかも?しれないのだぞ!!
我が長子であり、血の初めなる存在から・・このような破綻者が生まれようとは・・・先祖に顔向けができない・・もしセツラに起源の主からの助けがなく、奴隷として死に絶えていたら・・・実に恐ろしい・・一族は滅びていたであろう。
また私がセツラの身上を知らず、奴隷として売られた事実を隠蔽されたまま・・死を迎えていたら・・私は偽りの事実を抱えたまま・・ヨミに下る事になっていたのかもしれないのだぞ!
真実を隠蔽し、バレなければ、それをよしとする生き方の先に、幸福と平安なる世界は皆無であり!破綻と破滅しか存在しないのだ!お前達にその事が分かっているのか?」
「父上!我々が愚かでありました・・・申し訳ございませんでした。
今、長子の権利を返上しますので、これからは、あなたの子ではなく、奴隷としてお仕えしますので、愚息の犯した罪をどうか・・・お許し下さい!」
「馬鹿者が!!!軽はずみに奴隷の立場を口にするではない!
お前達の妹セツラが、兄達の裏切りにより、奴隷の身分に追いやられ、奴隷制度を無くす為に、どれ程の覚悟をもって生きてきたのか!を分かっているのか?
「族長セツラ」に仕えよ!!
この世界において、奴隷の民を無くす事が、我々アブラハ族の使命となったのだ!
アブラハ族の中に、奴隷の身分を置く事ができるとでもいうのか?
実に・・愚かな・・・愚かな・・愚かな・・考えである!お前達には、妹セツラへの裏切り行為の反省をもっと身をもって、示さなければならない!
これよりセツラがお前達の見受け責任者である!アブラハ族の族長セツラに従うのだ!族長セツラがお前達を導いてくれるだろう!!」
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