第100話 「妹の生存を信じて!」

「私達は、行方不明の妹がどこかの地域で生きているのではないか?と、信じています!!」


ユダとレビは、10年間各地を回り、奴隷として売られた妹セツラの生存を信じて探し続けてきた事を告げた・・


「私達兄弟は、妹に対して、悪事を働きました。決して許されるものではありません!!私達は、妹が奴隷として売られる時、必死で止めるべきだったのです。しかし兄ルベンとシメオンの強硬な態度に恐れをなし・・逃げ腰になり、まだ若かった事もありますが・・それは言い訳にしかなりません・・・とても愚かな事をしました。とても悔いているのです!

全ての責任は、私達兄弟全員にあります。実行犯である兄達だけを責める事はできません!」


「あなたがたの前に妹さんが現われたらどうしますか?」


「もし妹に会う事ができたら、私達兄弟が犯した愚かな行為を、心から謝罪しようと思います!」


「妹さんは許してくれるとでも思っているのですか?」


「いえ・・・決してそのような事は・・」


「奴隷として・・売られたのですよね?どれ程の苦しみがあったか!本当に理解しているのですか?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・

確かに・・私達は妹の本当の苦しみは・・理解する事など・・できないでしょう・・・」


「謝る事は、簡単です!しかしそれは、あなたがたの心を楽にする為では?

あなたがたは自分勝手です!そうは思いませんか?」


「・・・・・・おっしゃる通りです・・・

しかし・・・私達が一番願っている事は、妹が幸せに生きる事です!その為なら何だってするつもりです!!!」


「本気ですか?」


「本気です!そして年老いた父と再会して欲しい!父は、妹の死を信じず、今でも生きている事を心から願っているのですから!」


<しばらく沈黙が続いた・・・>


「あなたがたが妹さんに対して悪事を働いた事は、許される事ではなりません!

しかし心から悔いている姿勢は、よく理解できました・・・もし妹さんがあなたがたと再会したのなら、きっとあなたがたの悪事を許し、和解を受け入れてくれるでしょう!」


「本当に・・・そのようになれば!と心から願っています!」


「しかしあなたがたの話を聞き、少し気になる点がありました!」


「何でしょうか?」


「ふたりの兄についてです!」

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