第105話 「セツラ皇帝正体を明かす!」

「私は奴隷制度を憎んでいます!

なぜなら私も元奴隷であり、痛みや苦しみを多く受け、死ぬ思いさえ経験してきたのです・・あなたがたの妹の心中を、私が一番理解できると思っています!

これまで全国民の生い立ちを共有し、彼等を縛る奴隷制度を廃止し、救い出す事に人生をかけてきたのですから!!!」


「つまり・・・・・・セツラ皇帝様は、

妹の所在を知っている!という事ですか?」


「・・・・・・・・・・

その通りです!!!!」


「本当ですか!?」


「本当です!」


「それならば・・・どうか妹セツラに会わせて下さい!!」


「会わせる事は、可能です!しかしどのような面で妹に会うつもりですか?

奴隷として売り払った妹に対して、謝罪をして、それで終わりですか?

10年間の奴隷生活による痛み苦しみを、どのようにして帳消しにできる!というのですか?」


「それは・・・・私達には、分かりません・・・もし妹が背負っている借財があるのなら、全てを肩代わりして、私が身代わりになっても良いでのす・・・どうか妹に合わせて下さい!」


「分かりました!あなたがたの妹は、この部屋の中にいます!

どこにいるか探してみて下さい!もし見つける事ができたら、彼女に対して・・言葉をかけて下さい!」


<妹セツラがこの部屋にいるだって?>

ルベンとシメオンは、あたりを見渡したが、妹らしき存在を見つける事ができなかった・・


「セツラ皇帝様!

私達の妹がこの部屋の中にいる!とは本当ですか?一体どこに?見当たらないのですが・・・」


「あなたがたの目は節穴ですか?よく見るのです!」


ふたりはさらに部屋の中を見渡した・・宦官長ラルクと数人の近衛兵がいるだけで・・女性らしき者は誰もいなかった・・・・


「えっ?そんな・・まさか!そのような訳がない!!!」

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