第10話 「パロ王の公文書」
その頃、侍従長ポティファルの元に、パロ王の使者が
王の公文書を携え、門扉の前に来ており、王命が読み上げられていた
「侍従長ポティファルよ!王命である!
すぐに牢に閉じ込められている2名の高官、調理官長と献酌官長を裁判にかける故
2人の身柄を引き渡し、王都裁判所に連行せよ!それから2人の世話をしていたセツラという世話人も同様に身柄を引き渡すように!」
「セツラをですか?
何故ですか?」
「セツラが夢見の一族の可能性があるからだ!」
「夢見の一族!?
セツラがあの伝説の一族だというのですか?そのような訳がありません!!」
「何故?そう言い切れるのか?
あなたは、牢の中罪人二人の夢を見事に解き明かした事を知らないのか?」
「セツラの夢の解き明かしなど・・なぜそのような戯言を信じておられるですか?
あの者は、私の妻を誘惑し、我が家に災いを招いた罪人です!
決して、特別な力を持つような者ではございません!」
「本気で申しておるのか?
侍従長ポティファルよ!あなたこそ盲目になっているのではないか?
それ故に妻アダの言葉に振り回されている事を知らないのだ・・・実に愚かな事だ・
とにかくセツラという者が夢見の一族の可能性がある以上詳しく調べる必要がある!どのような経緯で、侍従長の家に売られてきたのか?
セツラの人間性、社会性、能力値、夢見の一族の可能性について?詳細を報告せよ!
そして呪法師に命じられたパロ王の夢の解き明かしに相応しいか?を知る必要があるのだから。
こうしてパロ王の近衛兵は、2人の高官とセツラを連行し、侍従長ポティファルに出頭を命じたのであった。
◆
ポティファルの家の者は、ポティファルの妻アダに事の成り行きを報告した。
そしてセツラが夢見の一族の可能性がある事を聞いた時・・まずい事になった!と直感的に感じた。
「どうしたら良いだろうか?
とても不安だ・・・夫は、無事に帰れるだろうか?」
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