第96話 「評価を受けた元貴族達」
アブラハ一族は、食糧を買いに半年ぶりにセツラ王国へ訪れた。半年前に比べて、大飢饉の影響はさらに広がっており、人々は虚ろな表情をし、空腹に耐えられないようで、頭を垂れて・・・沈黙し、順番が回ってくるのを、ただじっと待ち続けていた。群衆の中には、元貴族だった者達が混じっていたが・・彼等には以前のような財力はなく・・今回なけなしの金銭を持ち・・訪れていたが、順番が回ってきて、彼等に提示された内容が驚くべきものだったようで・・その場で泣き崩れて・・ひたすら感謝の意を示し・・天を見上げているようだった!
人々は元貴族達の様子を見て、騒ぎ出していた。
「一体何が行ったのだ?」
「レビよ!貴族達に話しかけてきてくれ!
ギルデロイ王都の貴族達には、あまり関り会いたくないが・・彼等の様子が普通ではないので、状況を知りたいのだ!」
「分かりました!ルベン兄さん!」
レビとユダは、作物を購入した貴族達の元へ行き、どのような交渉がなされたのかを尋ねた・・すると以前支払った金額が返金された上に、今回低価格で十分な作物を提供してもらえる事を聞き、ひどく驚いたのであった。
「一体何が起こっているのだ?」
リエラ商会は、富裕層からは、多額で作物を売り、貧民層には、定価の半分以下の金額で作物を売っていたと聞くが・・何故?貴族達に対して、態度を軟化させたのか?不思議でならなかった。
その後、詳しく話を聞くと、全ての貴族に対して、対応が変わった訳ではく、貴族としての身分を失い・・これまでの高慢な態度を悔い改め、自ら購入した作物の一部を貧民層に無償で提供した姿勢が評価されたようであった。
「リエラ商会は、ギルデロイ王都内にも支部があると聞くが・・作物を購入した貴族達のその後の行為を見ているとでもいうのか?人が悔い改めて・・態度を変える事など誰にもできる事ではないが・・心のあり様まで知る事は、神でしか叶わない事ではないか!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。