第77話 「夢見の力」

「ルベン兄さん!聞いてください!

昨年建国されたセツラ王国は、近隣諸国の奴隷組合を壊滅させ、奴隷を含む70万人を超える貧民達を、自国で受け入れ、彼等を自由の身として、自立した生活が送れるように、国家をあげて支援しています!

昨年、私がセツラ王国に立ち寄った際、間者として、誤解を受けて囚われてしまった時、リエラ商会が私を助け出してくれました!そして7年間の大飢饉により、一族が窮地に陥る事があったら、遠慮なく助けを求めるように!と恩情の言葉をかけてくれました。今が我らアブラハ一族にとって最も窮地なる時、助けを求めましょう!彼等の組織は強い!必ず力になってくれる筈です!」


「リエラ商会は、呪術師組織の奴隷商人に匹敵する力があるというのか?」


「デルタ王国、アーサー国、そしてセツラ王国の連合国は、奴隷廃止を国家の柱としています!公な奴隷売買は禁じられているのです!それは、国際ルールになりつつあります!だから信じて良いのです!彼等の力を!!」


「分かった!ではどのように助けを求めたらよいのか?リエラ商会と接触する手段を持ち合わせているのか?」


「残念ながら直接的に接触する手段は持ち合わせてはいません。。

ただ一つだけ方法があるのです!」


「どのような?」


「我らアブラハ族のもう一つの名を知っているでしょう?

今では伝説的な力といえますが、夢見の力です!もうすぐ日が暮れます!

我ら一族、夢見の力は乏しいですが・・夢に向かって魂の祈りを捧げるです!

もしや全国に散っているアブラハ族の有志達が、我らの夢を察知し、救援のメッセージを受け止めてくれるかもしれない!夢見の力に一族の将来を掛けましょう!!」

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