第116話 「カナンの地へ帰る」
「皆さん!聞いてください。
私の皇帝としての務めは完了しました。それ故に3国同盟の皇帝の座は私が求めるものではありません。
私はデルタ王国パロ王の夢を解き明かした事をきっかけに、人生が一変しました。起源の主の圧倒的な後押しがあり、私は突き動かされていたのです。私は時代を背負う役目があり、無事に成し遂げる事ができました。全ては私の功績ではありません。私は奴隷としてデルタ王国の貴族の家に売られ、最初は無一文でしたが、今では国を支配し、私が望めば何であっても手に入るでしょう。しかしそれらの富もこの世においてだけであり、死んで天国の世界に行けば何一つ、持ち込む事は出来ません。それが分かっているのに、人は何故?目に見える富だけに執着するのでしょうか?この世界には目に見えなくとも、もっと素晴らしい世界があるのです!それは起源の主の懐からしか見透せない実に豊かな永遠の世界です。私はこの永遠に続く富にだけ執着して生きる事を決心しました。
7年間の大危機は終えたので、これから平穏な時代がやって来るでしょう。さぁ!魂の故郷へ帰りましょう。私も一族を連れて故郷の地カナンへ帰ることにします!
これからセツラ王国はデルタ王国とアーサー国と一つの国となり、新皇帝の元で平和な国として治められるようになります。私は世界の平和が続くように祈り続ける事を約束します。」
人々はセツラ皇帝の存続を願ったが、彼女の決意は実に潔く、誰も止めることは出来なかった。それだけの功績を挙げていたので、彼女の願いは叶えられるべきだと人々は思った。そして最後にある予言をしてセツラは国を去った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。