第102話 「名乗り出たい衝動を抑えて・・」
セツラは胸が一杯だった・・
二人の兄レビとユダの妹セツラへの愛情と悔いた心に決して偽りはないと・・確信する事ができた・それ故にすぐに目の前にいる皇帝セツラが、あなたがたの妹である、と名乗りでたかったが・・まだ時期早々である事は明らかであった。
「まだ・・名乗るべき時ではない!しかし早く名乗り出たい・
そしてあなたがたの妹セツラは生きていて、自分を売った兄達を恨んでいない事を告げたい・・・・・・・」
「宦官長ラルクよ!
この者達の証言に偽りはない!と確信を得ました。別室に通し、旅の疲れが癒せるように、十分なもてなしをするように!」
「セツラ皇帝様!
何をおっしゃっているのですか?
あなた様のしもべである最弱最小の部族に何故、そのような振る舞いをなさるのですか?」
セツラは、兄達の問いに答えず、愛する兄弟と父に抱き着き、大声で泣きたい!衝動にかられたが、グッと我慢し・・心の動揺を抑え、静かに祈りに宮殿へ向かった。
◆
「さぁ!十分な食事とやわらなかベットがある居室を用意しました。あなたがたの兄達の面談は、しばし時間がかかると思われるので、ゆっくり寛ぐように!とのセツラ皇帝のご指示です。さぁ!こちらへご案致します。」
宦官長ラルクがレビとユダを別室に案内するのであった。
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