第27話 「夢見の一族の勢力『ヨゼフ』」

「セツラ神官長様!

呪術師長サイカ率いる反乱分子は、どうやら呪いの儀式を中断し

解散したようでございます!」


「宦官長ラルク!

お疲れ様でした。予定通りですね。本当に良かったです!」」


「はい!しかし彼らの勢力は王都随一といえる程、力のある集団でありましたが、セツラ神官長様!どのようにして彼等の力を奪い、解散へと導かれたのですか?」


「それは右大臣ペルトリカ率いる夢見の一族の勢力「ヨゼフ」が、確固たる力を持ち、綿密な計画がなされ、彼等の呪いの術を無効にできる神具を用いる事が出来たからです。」


「夢見の一族の勢力「ヨゼフ」?

右大臣ペルトリカ様は、パロ王様より、夢見の一族の勢力を率いておられると聞いておりましたが、セツラ神官長様ほどの神通力は持ち合わせていないのでは?」


「実は、彼等が所持する預言書において、今回の一連の反乱分子のテロへの対策につい詳細に記録されていたようです。それ故に適切な対応が可能であったようです!」


「預言書ですって?

しかしその内容は、300年前の記述なのでは?

つまり300年前から今回の一連の出来事が預言されていたという事ですか?」


「いえ・・重要な出来事に関してのみです。

多くの出来事に関しては、その状況を見ながら、私自身が考え、判断し、選択しなければなりません。だからこれから私が正しい選択が出来るように、新設された神官府において、『ヨゼフ』の勢力を加え、新たに選ばれた神官達により、祈りと預言の解き明かしに専念し、力を身に付けなければなりません!

なぜなら悪しき反乱分子たちが滅びた訳ではなく、より強大な悪しき組織がこの国に迫っているからです。我々は、彼等に対抗すべく神官府の組織を強化していかなければなりません!


ひとつでも間違った判断と選択をしてしまうと

未来で起こるべく世界が、全く違うものになってしまうのですから!」


「さぁ!パロ王の別邸へ参りましょう!今日はとても疲れました・・ゆっくり休みたいです・・」」


こうしてセツラ神官長就任の初日を無事に終える事ができたのであった。

明日は、ポティファルと妻アダへの裁きを下さなければらない。

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