第3話 「献酌官長と調理官長」

パロ王の夢の解き明かしの命令を解く為

王都神殿には200名を超す 呪法師達が集められた


呪法師の長サイカは

パロ王が下した命令を伝えると

呪法師達は 震えあがり 恐れ慄いていた


「パロ王が命じられた 

夢の解き明かしの命令は・・前代未聞だ!

誰が!夢の中の未知なる世界を

解き明かす事など出来ようか?」


「分からぬ・・分からぬわ!!!」


パロ王は 歴代の王達の中で

もっとも神通力に秀でており

これまでも 王都議会に対して

無理難題を伝え 大臣達を震え上がらせ

対処できない者に対して、容赦ない裁きを下した

臣下達はパロ王を恐れ・・誰ひとり意見を言える者などいなかった



1週間前の出来事である

収穫祭において雄牛40頭を奉納物として

捧げられている時 献酌官長と調理官長が

王の怒りに触れ 侍従長の家に監禁されてしまったのである

そして3日後に 首吊りの刑が施行されるとの事・


「我ら呪法師も献酌官長と調理官長の後を追う事になるのだろうか?

恐ろしい!何としても王の夢を解き明かさなければならない!!!

急げ!時間がない!!あと3日しかないのだから・・・」



その晩、献酌官長と調理官長は

同時に同じ夢を見ていた・・その夢にはおのおの意味があった

彼等は苛立ち、己が招いた不幸を呪い・・叫び声をあげていた


「我らが見た夢には

きっと意味がある筈だ!

どうか呪法師を派遣してもらえないだろうか?

彼等の助けが 必要なのだ!!!」


しかし侍従長は 彼等の頼みを聞き入れようとはしなかった

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