第16話 「呪術師の長サイカの解き明かし」
「呪術師の長サイカ!
夢見の一族セツラよ!
今回、お前達に夢の内容を書かせる前に宦官長ラルクに
定められた3つのキーワードを伝えておいた。
それは、ユーフラス川岸、7匹の痩せた牛、激しい日照りの3つである。
お前達は、3つのキーワード全てを書き記されており、実に見事である!!
しかし夢の内容があまりにも酷似しており、
まるで片方が中身を書き写したと思える程であるぞ!!
まさかパロ王に対して不正はないであろうな?」
「不正など・・とんでもない事です!
そのような大罪を、私が犯す筈ございません!」
呪術師の長サイカは思わず叫んだ!
「まぁ!良い!
しかし夢の内容の全容は我しか知らぬ事・・お前達の回答は半分にも満たない!
夢の全容の内容を聞けば、どちらが力ある者か判断する事ができるだろう!さぁ!呪術師の長サイカよ!お前から答えるのだ!」
◆
「パロ王様!永遠に生きられますように!
わたくしは、呪術師の長として、パロ王の夢の解き明かしが叶う事を
喜ばしく思っております。しかし・・出来ましたら夢見の一族から先に解釈を聞きとう存じます!」
「何故だ?
我は年長者である呪術師の長である者から
解き明かしを聞く事が道理であろう!それにお前達呪術師には、3日前から命じていたではないか!もしお前達に夢の解き明かす力があれば、もっと早くに答えを出す事が出来た筈である!さぁ!問答無用だ!我が見た夢の後半を語り、夢全体の解き明かしを答えるが良い!」
「・・・・・・・
承知いたしました・・・
<まずい・・パロ王は、私の回答が、夢見の一族と酷似している事で怪しんでおられるに違いない・・しかし問題はない!夢の内容から、想像できる展開が見えておるわ!>
◆
「パロ王!夢の内容の全貌は次の通りです!
ユーフラス川岸には多くの酪農家が存在しており、
肥沃な土地に、1万頭を超える牛や羊やロバが飼育されております
夢の中でパロ王は、7匹の痩せた牛をと激しい日照りをご覧になり、
牛たちを養うユーフラス川が日照りの影響で枯れてしまい
死に絶えてしまう事を予兆されたのではありませんか?パロ王は神のような高貴なお方でありますから、神が夢を通して、語られたに違いありません!!」
「うん・・・なるほど・・
さすが呪術師の長サイカである!
確かに・・夢の解釈として的を得ており、納得する部分が多大にある!
しかし夢の全貌が見えている訳ではない!重要な後半の解き明かしができておらぬぞ!」
「申し訳ございません!パロ王様!」
<そんなバカな!!>
呪術師の長サイカは冷や汗が止まらず、非常な恐れに包まれてしまった
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