第16話 「呪術師の長サイカの解き明かし」

「呪術師の長サイカ!

夢見の一族セツラよ!

今回、お前達に夢の内容を書かせる前に宦官長ラルクに

定められた3つのキーワードを伝えておいた。

それは、ユーフラス川岸、7匹の痩せた牛、激しい日照りの3つである。

お前達は、3つのキーワード全てを書き記されており、実に見事である!!


しかし夢の内容があまりにも酷似しており、

まるで片方が中身を書き写したと思える程であるぞ!!

まさかパロ王に対して不正はないであろうな?」


「不正など・・とんでもない事です!

そのような大罪を、私が犯す筈ございません!」

呪術師の長サイカは思わず叫んだ!


「まぁ!良い!

しかし夢の内容の全容は我しか知らぬ事・・お前達の回答は半分にも満たない!

夢の全容の内容を聞けば、どちらが力ある者か判断する事ができるだろう!さぁ!呪術師の長サイカよ!お前から答えるのだ!」



「パロ王様!永遠に生きられますように!

わたくしは、呪術師の長として、パロ王の夢の解き明かしが叶う事を

喜ばしく思っております。しかし・・出来ましたら夢見の一族から先に解釈を聞きとう存じます!」


「何故だ?

我は年長者である呪術師の長である者から

解き明かしを聞く事が道理であろう!それにお前達呪術師には、3日前から命じていたではないか!もしお前達に夢の解き明かす力があれば、もっと早くに答えを出す事が出来た筈である!さぁ!問答無用だ!我が見た夢の後半を語り、夢全体の解き明かしを答えるが良い!」


「・・・・・・・

承知いたしました・・・ 

<まずい・・パロ王は、私の回答が、夢見の一族と酷似している事で怪しんでおられるに違いない・・しかし問題はない!夢の内容から、想像できる展開が見えておるわ!>



「パロ王!夢の内容の全貌は次の通りです!


ユーフラス川岸には多くの酪農家が存在しており、

肥沃な土地に、1万頭を超える牛や羊やロバが飼育されております

夢の中でパロ王は、7匹の痩せた牛をと激しい日照りをご覧になり、

牛たちを養うユーフラス川が日照りの影響で枯れてしまい

死に絶えてしまう事を予兆されたのではありませんか?パロ王は神のような高貴なお方でありますから、神が夢を通して、語られたに違いありません!!」


「うん・・・なるほど・・

さすが呪術師の長サイカである!

確かに・・夢の解釈として的を得ており、納得する部分が多大にある!

しかし夢の全貌が見えている訳ではない!重要な後半の解き明かしができておらぬぞ!」


「申し訳ございません!パロ王様!」

<そんなバカな!!>

呪術師の長サイカは冷や汗が止まらず、非常な恐れに包まれてしまった

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