第47話 「商人組合との会合」
「ちょっと待ってくれ!
あなたがリエラさんだね?
いきなり神官府から通達があって、あなたがたが市長である私の家に集合とは?
まだ理解が追い付いていないのだよ・・会合を始める前に私の執務室で説明をしてくれるかい?君達の友達には、お茶とお菓子を用意したから少し寛いでもらえたらと思うのだが・・どうだろう?」
「分かりました!ご説明させて頂きます。参りましょう!」
リエラは、ルスタ市長の執務室に向かった。
<私が子供達相手に何を始めろ!というのだ?全く理解ができない・・しかも神官府から『全面的に協力せよ!』と通達に逆らう事はできないし・・王都市街地における新規事業開設の為の準備金が白銀貨100枚なんて・・規格外だ・・普通ではありえない・・一体何が起ころうとしているのだ?>
◆
「君は一体何者なのだ?
成人を迎えたばかりの若者達が集まって一体何をしようというのだ?」
「まず自己紹介させて頂きます!
私は、神官長ルスタ様の執事でリエラと申します!」
「何だって?
神官長ルスタ様の執事というと・・右大臣ペルトリカ様一門の上級貴族の御令嬢と噂がありますが・・そのような高貴な方が・・どうして・・」
「ルスタ市長!
あなたに届いた神官府からの通達は、どのような種類の公文書かお分かりですね?
この国の最高位であるパロ王様に次ぐ今デルタ王国の実質的権力者であるセツラ神官長様の直属機関である事は、周知の事実!神官府の権限において、これからこのデルタ市街地で新しく国家事業をせよ!というお達しです。お分かり頂けますか?
しかしルスタ神官長の執事である私が関わっている事は、内密でお願いします。
私の友人たちも全く知らない事ですし、これから関わる商人組合とも対等に関わりたいので、私に対しても敬語は使わずに普通に接してください!」
「ああ・・分かりました。いや・・分かったよ!」
「それより神官府からの通達の内容をお読みになりましたか?」
「ああ・・非常に驚いているよ!何なのだ?あれは?あのような国家事業、私は市街地の商人組合とも関りが深いが、非常に先進的な取り組み・・思いもつかなった事業だ!・・いや例え思いついても規模の大きい商店であっても実現は不可能だろう・・しかし神官府からの支度金が普通ではない!白銀貨100枚はあれば、商人組合に所属する商店半分を買収できる額だ!」
「確かに・・支度金としては、多額過ぎましたね・・」
<セツラ神官長は何を考えておられるのか?白銀貨100枚は、国家予算の3%にあたる・・ご自身の給料全てをつぎ込まれるなんて・・>
「とにかく新事業への本気度が伺えるでしょう?
すべてはセツラ神官長様の御心である事を御承知おき下さい!」
「分かったよ!!
何でも協力する事を約束しよう!」
「ルスタ市長!ありがとうございます!
ではルスタ市長は、まず私達と商人組合の会合で私達を紹介してください!
まずはそこからです!」
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