第14話 「夢の解き明かし期限迫る」
「呪法師の長サイカよ!
今晩が夢の解き明かしの期限である!備えは万全であるか?」
「パロ王よ!永遠に生きられますように!
我らデルタ王国の臣下、あなた様の夢を解き明かす為に、断食を布告し、呪法師の力を尽くして、王の夢を解釈できるように、万全なる備えをして参りました!」
「よかろう!期待しておるぞ!
ではこれより羊皮紙に夢の内容を書かせ提出させよ!我が内容を読み、我の夢と合致する者のみを選び!王都議会に立たせ、直接、夢の解き明かしを聞く事とする!」
「・・・・・・・・・・
パロ王よ!やはり・・・
夢の内容を事前に伺う事はできませんか?
正直に申し上げますが・・内容を聞かずして、夢の解き明かす事は・・・難解でございます。」
「呪法師の長サイカよ!
貴様の弁明なだど・・聞きたくはないわ!!
ではなぜ?献酌官長と調理官長の夢を見事、解き明かせた者がいるのだ?」
<それは・・・偶然でありましょう・・>
サイカは何度も心の中で反芻していた・・できる訳がないと・・
「もうよい!さぁ!皆に伝えよ!王命である!
我の夢の内容を羊皮紙に書かせるのだ!
我は信じている!必ず夢の内容を解き明かし、デルタ王国の未来に活路を見出せる者が現われる事を!!!
◆
こうして選ばれた300人の者が、パロ王の夢の内容とその解釈を書き記し、王都議会に提出をおこなった。そしてパロ王が事前に、夢の内容について、定められたキーワードが記された者のみが選ばれ、最終選考に進む事ができるのである。
呪法師達は、精神を研ぎ澄まし、命がけの解き明かしに挑んだ!これまでデルタ王国において、夢を聞き、内容を吟味して、解き明かす事が主流であったが、パロ王からは夢の内容が語られる事がなく、「一体誰が解き明かす事ができようか!」と皆が思っていた。
「パロ王は最初から我ら呪法師達を滅ぼす為に、このような命令を下されたのだ!」と恨み節を語り、悲壮感が漂っているのであった。しかしそのような中、夢見の一族セツラだけは、偉大なる起源の主からの「語らい」を信じ、夢の中で語られた内容を詳細に書き記す事に成功していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。