第71話 「兄レビの心」

「そうか・・・これが兄レビの心の叫びか・・」

昨晩見たであろう・・兄レビの夢の中での情景が・・後悔が・・セツラに対する申し訳がない・・悔い改めの心が伝わってきた


これが夢見の一族の宿命であり、対象の夢の中の思考が理解できるのだ!

血を分けた肉親・・正直な気持ちとして・・許しきれない思いはあったけれど・やはり愛べき家族であるのだ!とセツラは兄レビの存在を大切に感じた


「許したい・・和解したい・・」

心から願うのであった・・しかし・・まだ時ではない!

これから7年間の飢饉が来る時こそ、私は、私を奴隷として売った兄弟達と対面する時が来るのだ!

なぜなら兄レビと兄ユダ以外の兄弟達は、私の存在を忘れている者がいるとは!とても信じ難い!妹を何だと思っているのだ!?怒りが湧き上がってくる!

自ら犯した過ちを、父ヤゴンに隠し、神を恐れぬ愚か者と化しているか?


彼等は、自らが私と同じような苦しみを受けなければ

痛みを理解する存在には、なりえないのかもしれない・・

本当は、彼等を騙すような事はしたくはないけれど・・自ら犯した罪を理解し、その身に負う必要があるのだ!


奴隷の苦しみは、奴隷として売られてみなければ、知りえないのだから・・彼等に後悔の念が生まれるのだろうか?分からない!しかし彼等は、憎むべき兄弟であるけれど、私は彼等の良心を信じたい!きっと悔い改めて、私に対して、心からの謝罪をしてくれる日を!私は待ちたい!」


こうしてセツラの兄レビは解放された

リエラ商会が、レビを助けたのである。

今後、7年間の大飢饉が到来した際、もし一族に困難が生じたら、リエラ商会に助けを求めるように!と言い含めるのであった


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