第101話 「2人の兄達の気持ちは?」

「私には、あなたがた兄弟達の心が一致していない事を感じています・・・


アブラハ族レビとユダよ!

あなたがは、心から悔いた心があり、奴隷として売られた妹さんへの憐みの心に満ちている事が感じられます!しかし・・妹さんを売った張本人である2人の兄達はどのような気持ちでいますか?あなた方から見て、彼等は同じ心だと言えますか?」


「私達の兄は、以前は邪な生き方をする!そのような者達でしたが、今は悔い改めて・・全うに生きよう!としているように感じています!だから彼等の心を信じたいです!」


「分かりました!あなたがたを信じましょう!

しかしもし彼等が奴隷として売られた妹さんに対して憐みの心を持たず、口だけでの偽りの告白をするようでしたら、我々は、あなたがたを決して許しません!」


「セツラ皇帝様!

失礼ですが・・・あなた様は、どうして我々の妹に対して

そこまで関心を持たれるのですか?」


「私が赤の他人であるなら・・口出しすべきではない!と言いたいのですか?」


「いいえ・・・決してそのような事は・・・」

<しまった!皇帝を怒らせたか?>


「あなたがたにはっきり言っておきます!

私は、これまでデルタ王国で貴族達に囲われていた奴隷達を全員解放してきました!

奴隷制度を憎んでいるのです!

知ってのとおり、わが国民の8割以上が元奴隷達です!私は彼等を救う事を使命感に思ってきました。彼等はもはや奴隷ではありません!自由人です!!我が国にあなたがたの妹さんも、生きているかもしれなせんよ!」


「本当ですか!?

それなら!ぜひ合わせて下さい!」


「妹さんの気持ち次第です!あなたがたの心は理解できましたが、これから会う2人の兄達次第だ!と言っておきます!

妹さんが、兄達に裏切られた事で傷つき・・・2度と顔を見たくない!と思っているかもしれませんよ!それでも会いたいですか?」


「それは・・・私達に決められる事ではありません・・・しかし会いたい!

会って、心から謝罪したいのです!妹の心を少しでも軽くし、失った10年間の愛情の溝を、精一杯埋めていきたい!心からそのように願っています!」





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