第103話 「兄ルベンとシメオンへの詰問」
「セツラ皇帝様は、何故我々と直接会おうとされるのか?
先に面談したレビとユダを一目見ようと遠目で見ていたが・・彼等は晴れ晴れとした表情をしていた・・しかし何故か?胸騒ぎがするのだが・・・悪い事が起こらなければ良いが・・・」
◆
「あなたがたの弟であるレビとユダの面談は終わりました。彼等は無事です!
さぁ!次はあなたがたの番です!
最初に言っておきます!私を侮らないように!この7年間の大飢饉について、パロ王様の夢を解き明かした者は、私であるのだから!」
「セツラ皇帝様を侮るなど・・決してそのような事はある訳がございません!!
我々アブラハ一族は、正直者です!!どのような質問に対しても嘘偽りなく・・お答えしますので!何なりとご質問ください!」
「分かりました!!あなたがたを信じましょう!
先程、アブラハ族は正直者であると!言っていたが、それは本当の事か?」
「まことでございます!」
「それでは・・これまでの人生の中で嘘をついた事はない!という事だな?」
「全く嘘をついた事はない・・と言われましたら・・無いとは言えないかもしれません・・子供の時分や大人になってからも、うっかり相手を傷つけてしまった事は、少なからずあるかも?しれません・・!しかし悪意を持って嘘をついた事はございません。」
「許される嘘があるという事か?」
「そうですね・・・」
「例えばどのような?」
<ルベンとレビは、父親に対して、妹セツラが野獣に襲われて死んだと・・嘘の証言をした事を、思い出していた・・そういえば・・・実の父に対して、残酷な嘘をついて生きてきたな?・・・・しかしその事をセツラ皇帝に言える訳がない・・・・>
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