第47話パジャマパーティー2
怪談。まず一人目は、沙織ちゃん。
沙織ちゃんの話は、俺と出会うまでの話だった。
死にたいとまで悩んでいたのを、俺に救われたストーリー。俺のヒーロー譚に仕上がっていて、良き。沙織ちゃんは俺のことをものすごく感謝してくれているのが伝わってきて、なんか照れる。
次は、晴子。晴子は職業柄、いろんな怪談を知っているはずだが…晴子の話は、〝人面瘡〟の解呪に失敗して呪われるまでの経緯から、俺と再会して呪いを解いて、依頼人の呪いを解くまでの話だった。またまた俺、大活躍。〝りほ〟の活躍も大きいが。
次は、紀香ちゃん。紀香ちゃんの話も俺と出会うまでの経緯から、俺達が奮戦して、鬼を討ち果たすまでの話だった。いや、JKの全身に経文を書いた話は、遠慮してほしかったのだけど…。リスナーの反応並びに沙織ちゃんと晴子の視線が痛い!
ちなみにリスナーの反応は…〝おまわりさん、こいつです〟〝逮捕〟〝うらやまけしからん〟〝通報しました!〟などである。
(本当に逮捕されたらどうしよう?)
そういう仕事だったんだってばよぅ!!
♠️
俺への評価、乱高下がひどい!
でも、まぁ怪談というか、どれも俺が活躍した話である。
(これも、みんなに晩ごはんを奢った効果かな?)
さて、俺はどんな話をしようか?
…
「では…僕は、一等地に建っている築浅で設備も整った1LDKマンションの一室を僕の顧客さんから格安で借りれた件でもお話ししましょうか。ちなみに今もそこに住み続けています。月3万円で」
〝安っ!〟〝うわっ、絶対訳あり!〟〝事故物件〟〝こわっ〟〝呪われたマンション(汗)〟
そこから話したのは、夜な夜な聞こえるすすり泣く女の声。
話を聞くと…婚約詐欺にあった看護師(真子さん)で。お金を貸したら、婚約者がドロン。絶望した女は、睡眠薬を大量に飲んで自殺。それ以降、ポルターガイスト現象が多発するようになったのである。特に男性が入居すると、「うらめしや〜」と自殺した看護師が出てくる。他の男性入居者は、呪い殺される寸前で出ていったそうだ。
(ちゃんと話しをすれば、意気投合したけどなぁ。結婚詐欺師も見つけて、警察に突き出してやったし。真子さんの怨念も大部分、その結婚詐欺師に呪いとしてぶつけさせてやった!)
真子さん、尽くすタイプで俺の式神として家事や掃除もこなしてくれたし、料理も上手だったし。
怨霊と意気投合したのみならず、式神どころか恋人にまでしたくだりで出演者も視聴者もドン引きした。いや、出演者のみんなの視線にグサグサと
(いや…真子さんが〝恩返しさせて〟って言ってくれたんだよ?)
それから、〝りほ〟を栃木県まで調伏しに行った話をして、〝りほ〟を連れ帰ったら真子さんが怖がって成仏してしまった話もした。
来世では、本当に幸せになってほしい。
俺の部屋を「物置か?」と称した〝りほ〟の話もした。これは、受けた…と思う。
♠️
最後は〝りほ〟。さて、どんな話をしてくれるかな?
「最後は、わらわか…。ふむ。我が
〝りほ〟の過去話、俺も詳しくは知らない。どんなことがあって、封印されたのだろう? この話、俺の一族にもあまり詳しく残ってないんだよ。
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