第44話葵祭
5月になった。京都では、葵祭の月だ。
5月の初旬はまだ寒暖の差が激しく、服装に迷うのだが…斎王代たる沙織ちゃんは大忙しなので体調を崩さないよう気をつけてもらいたい。
葵祭りとは、5月15日(旧暦の4月の中の酉の日)に行われる例祭。石清水八幡宮でおこなわれる南祭に対し、北祭ともいう。
石清水祭と春日祭とともに三勅祭の一つであり、庶民の祭りである祇園祭りに対して葵祭りは賀茂氏と朝廷の行事であり、貴族の祭りといえる。
葵の花を飾った、平安時代後期の装束での行列が有名。斎王代が主役だと思われがちだが、行列の主役は勅使である。
葵祭りの起源は西暦567年まで遡る。欽明天皇の時代に飢饉がおこった原因を占った所、賀茂神の祟りと言われたそうな。それを鎮めるために祈りを捧げたのが始まり。
宮中の儀・路頭の儀・社頭の儀…葵祭りは三つの儀式からなるが、宮中の儀は現在行われていない。
5月15、文官・武官を中心とする本列。斎王代をはじめとする女人列。これらの役柄の人達が、牛車とともに京都御所から下鴨神社をへて上賀茂神社までの約8kmの道のりを行列する。(路頭の儀)
下鴨神社と上賀茂神社においては実際の勅使である掌典職が祭文を奏上する社頭の儀がとりおこなわれる。
斎王・斎王代…斎王とは、賀茂神社に御杖代として仕えるために皇室からつかわされる内親王のこと。今は斎王がいない。
斎王代は葵祭りのために毎年選ばれる斎王の代わりを果たす女性のこと。びっくりするのは斎王代に選ばれた家が負担する費用の高額さである。まず斎王代の衣装である十二単を自前で新調するのに数百万円から数千万円ほどかかる。それに、なぜか、行列の費用も一部負担しないといけない。行列は総勢500人に出すアルバイト代、弁当代などと馬36頭、牛4頭。牛車の費用。衣装のクリーニング代等々。スポンサーや京都府からの補助金や観客からの鑑賞料などを差し引いても数千万円の負担をしないといけないらしい。
なので、斎王代の一般公募は無理。どうしても裕福なお嬢さまでないと。そして、京都人は成金を嫌う。なので京都にしっかりと根付いた名家からしか斎王代は選ばれない。
斎王代の候補は京都ゆかりの寺社、文化人、一部の資産家に限られ、母娘で斎王代や姉妹で斎王代、母娘孫で斎王代という例も少なくない。
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路頭の儀以前にも、葵祭の神事は多い。
5月1日 加茂競馬足ぞろえ式(かもくらべうまあしぞろえしき)
5月3日
5月4日 斎王代以下御禊神事
5月5日 歩射神事・加茂競馬
5月12日 御蔭祭
5月14日 堅田供御人行列鮒奉献
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まず、斎王代以下御禊神事を動画配信しようか。
十二単姿の沙織ちゃん。楽しみだ。十二単って無茶苦茶重いらしいけど💦
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