概要
頃は明治 絵描きの話をしよう
明治二十二年、ひとりの少年が東京美術学校に入学するために上京する。
「私は総領だから、お前が代わりに画家になってくれたら嬉しいんだが」
兄、為吉(ためきち)の思いを胸に、彼は美術学校で日本画の教育を受けることになる。
そこには横山大観(よこやまたいかん)や下村観山(しもむらかんざん)など、後に日本画の大家と呼ばれるようになる人達がいた。
岡倉天心(おかくらてんしん)をはじめ名だたる指導者の元、彼らは切磋琢磨し成長していく。
「面白い絵が描けると思うんだ。今考えてるのを描けたらすごいことになるよ」
彼の作品は出品するごとに議論を巻き起こす。
それは岡倉天心の「光や空気を描く方法はないか」という問いに答えるために考え出されたものだった。
伝統的な絵画の手法から一歩飛び出したような絵画
「私は総領だから、お前が代わりに画家になってくれたら嬉しいんだが」
兄、為吉(ためきち)の思いを胸に、彼は美術学校で日本画の教育を受けることになる。
そこには横山大観(よこやまたいかん)や下村観山(しもむらかんざん)など、後に日本画の大家と呼ばれるようになる人達がいた。
岡倉天心(おかくらてんしん)をはじめ名だたる指導者の元、彼らは切磋琢磨し成長していく。
「面白い絵が描けると思うんだ。今考えてるのを描けたらすごいことになるよ」
彼の作品は出品するごとに議論を巻き起こす。
それは岡倉天心の「光や空気を描く方法はないか」という問いに答えるために考え出されたものだった。
伝統的な絵画の手法から一歩飛び出したような絵画
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!優しく慎ましく、詩情豊かでカラフルな家族の物語
西洋絵画の大波に揉まれる波瀾の時代。近代日本の画壇も転換期を迎えておりました。絵筆を携えて上京した若者は、技巧を学び、絵心に悩みつつ、成長を遂げて飛躍します。
読者は主人公と一緒に、奥深い絵画のテクニックと画家の心得について手ほどきされるかのようです。挫折もあれば、喜びもあって、画壇も人の世も移り変わります。
優しく、救いの手を差し伸べてくれる方々に癒され、励まされ、才に恵まれた絵描きは、激動の時代を粉骨砕身、心血注いで駆け抜けて行きます。
月も輝き、鳥も舞い、そして柔和な顔で見つめる家族も兄も、良き友もいる…読後、目の前には色彩豊かな六曲一双のゴージャスな屏風絵が置かれることでしょう。