カインクムの剣作り  パワードスーツ ガイファント外伝 〜オーダーメイドの鍛冶屋が、初めて見た日本刀を、話と自分の経験だけで作る! 〜

逢明日いずな

第0話 大ツ・バール帝国


 大ツ・バール帝国は、海沿いではなく大陸の内陸部にある。


 大陸の中央から東側に広大な土地を有しているが、大ツ・バール帝国が建国する以前は、不毛の地になってしまい人の入る事ができなくなってしまっていた。


 そこは、北の王国と南の王国を結ぶ東街道が有ったのだが、東の森に発生した強力な魔物のおかげで人の往来を断念されていた。


 大ツ・バール帝国が建国の前は強力な東の森の魔物と周辺の魔物にも手を焼く始末だったこともあり、大ツ・バール帝国が建国前は、人も亜人も東の森から大陸中央部まで住む事は無かった。


 そのため、東街道と周辺の土地は長年に渡って放棄されていたのだ。




 そこに、北の王国に現れた、ツ・バール国建国の父であるツ・エイワン・クインクヲンが、北の王国と交渉を行い東街道を使えるようにと北の王国の庇護下で街道警備をはじめた。


 それまでは、大陸の西を大きく迂回する街道が有ったのだが、何カ国も経由して移動時間も長くなってしまったため、南の王国との取引には何カ国もの関税を支払う事になり、南の王国の商品は北の王国では高額で取引される事になっていた。


 その南の王国にはギルドの本部があり、ギルドが販売する魔道具は北の王国では高額で取引される商品となってしまっていた。


 魔道具は、生活を便利にする商品が多いこともあって、安く購入できる南の王国と周辺国と、北の王国では、市民レベルで生活水準が、大きく変わってしまっていた。


 北の王国は、ギルドの商品の購入に苦慮していた。


 もし、東街道が使えるようになったら、以前ように他国を経由する国も無くなり、ほぼ、直線で結ばれることになるので、経費の節減と時間の短縮になる。


 そこにクインクヲンが目を付けた。




 クインクヲンは、北の王国に東街道が通行可能になった際、その土地を自分の国として建国させてほしいと願い出た。


 北の王国としたら、東の森の魔物を倒せる人は居ないと考えていたので、不可能な話だと思い話を快諾した。


 約束を取り付けると、クインクヲンは仲間と街道の警備を行なった。


 クインクヲンは、東の森の魔物を倒すのではなく、魔道具を使って森に追いやって通行を可能とさせた。


 その結果、東街道を通れるようにし、北の王国の庇護下でクインクヲンはツ・バール国を建国した。


 建国し、クインクヲンは4人の息子を授かり、4人を王家のツ家と分家として独立させた。


 初代国王の血筋であって、王家を継いだ息子以外を、分家して代々宰相を務めるツワ家と、万一の場合の血筋としてツヤ家とツフ家が設立された。


 そして、第8代から第16代まで短命の国王が続いたことで、新たに血筋を保つためのツネ家を新たに設立した事により、王家、宰相家と、三大公家により、ツ・バール国は安定した。


 そのツ・バール国を先代の第20代国王ツ・エイデル・リョウリンによって、建国305年の年にツ・バール国から大ツ・バール帝国に国名を変更し自らを国王から皇帝とした。


 そして、帝国暦を採用させツ・バール国建国を元年として、この国名変更の年を帝国暦305年とさせた。


 この国名変更に伴った変更は、ツ・エイデル・リョウリンの父であり第11代宰相であるツワ・リンデル・リョウクンの指示によって行われた。


 しかし、その事は秘匿されていた。


 国名変更に伴った改革を行ったのち、第11代宰相であるツワ・リンデル・リョウクンが病死すると、その後は目立った変革は無かったこともあり、皇城の貴族達の間では、全ての事は宰相のリョウクンが息子のリョウリンに指示して改革を行ったと囁かれた。


 それは、ツワ・リンデル・リョウクンは長男でありツワ家を継ぎ宰相となるが、弟のツワ・ヘイズン・フォンファンをツネ家へ婿養子として入りツネ家を存続させた事から始まった。


 その後、ツヤ家とツフ家に男子の誕生が無かった事に目をつけると、第11代宰相ツワ・リンデル・リョウクンは、自身の長男には自身の家を継がせるが、側室達に産ませた次男をツヤ家に婿養子に入れ、三男のツワ・エイデル・リョウリンには第18代国王の次女と結婚させた。


 第18代国王には1人の男子が晩年に生まれたが、国王は息子が成人する前に崩御し未成年の第19代国王となったが、成人前に崩御してしまった事により血筋が途切れてしまった事から、第18代国王の次女と結婚しているツワ・エイデル・リョウリンが第19代国王とななった。


 王家と三大公家のツネ家とツヤ家に第11代宰相の弟と息子が継ぐ事になるとツフ家は慌てだし、側室を増やし男子の誕生を願ったが生まれたのは女子だけだった事から、ツワ家の四男が婿養子として継いだ事になり、王家と三大公家がツワ家の血筋となり、第11代宰相ツワ・リンデル・リョウクンの権力は絶対的になった。


 第21代皇帝となった、ツ・リンクン・エイクオンは、祖父にあたる第11代宰相のツワ・リンデル・リョウクンが行った王家と三大公家に自分の弟や息子達に継がせた方法を外交政策に使い出した。


 各国もだが、国内の有力貴族にも同様の手口で婚姻を結び、帝国の安定を図り出した。


 ただ、その第21代皇帝ツ・リンクン・エイクオンの政治が続く中、東の森の魔物が活性化してしまい対応に追われた結果、建国後360年にわたって、ギルド支部の設立を断ってきたのだが、国内の魔物の処理に苦慮したためにギルド支部を帝都に設立させた。


 このギルドのツ・バール支部が設立した事によって、ギルドは大陸の全ての国に支部を置くこととなる。


 ギルドのツ・バール支部を誘致するため、大ツ・バール帝国として帝都の南側に新たな区画を建設した。


 これは、帝都の開発の9番目に当たる。


 その第9区画の開発を行ってギルド ツ・バール支部を誘致した。


 その際、帝都第3区画の西に建設中だった第8区画の開発を一旦止めて行うことになった。


 第9区画は、過去にない広さの開発となり帝国の有力商会のイスカミューレン商会だけでは手に負えず、その下請けとして多くの下請けが作業を受け持った。


 その中には、南の王国のジュエルイアン商会も参加していた。

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