ロイヤルソング～呪われし姫たちは悲しみを謡う

今も昔から争いの絶えない世界――。

そこでは、魔女に生贄を捧げた国は繁栄が約束されるといわれていた。

王たちは魔女を探し出し、生贄を捧げる契約をする。

その生贄とは王の娘――つまりその国の姫君でなくてはならない。

王たちは我が子を供物とし、長い栄華を極めた。

その心中は様々だった。

一族の保身のために娘を差し出した者――。

滅ぶことを恐れ、苦渋の選択をした者――。

これは救いだとばかりに喜んだ者――。

理由など挙げていけばきりがない。

生贄にされた姫たちはすぐに死ぬわけではない。

彼女たちは魔女の烙印をその身に刻まれ、数年後にはその呪いによって死を迎えるのだ。

生贄となった姫たちが選ぶ道は二つあった。

一つはそのまま期日まで死を待つ。

もう一つは魔女が開催する命懸…続きを読む