概要
【完結済】当方処女。子宮、新品・未使用です。
地球全体が汚染された近未来。人類は、地球再生に尽力する上層階級と、スラムで貧困に喘ぐ下層階級に分かれていた。下層出身のマリアは、上層階級の夫婦の代理母に立候補することで未来を切り開こうとする。この世界では、健康な肉体しか持たない女にとって、それが唯一の成り上がる道だから。
処女であること=新品・未使用の子宮を武器に無事に採用されたマリアだが、子宮に受け入れた胎児はどうやら只者ではないようで──
処女であること=新品・未使用の子宮を武器に無事に採用されたマリアだが、子宮に受け入れた胎児はどうやら只者ではないようで──
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!天国なんて、どこにもないんだとしても
露悪的でセンセーショナルなタイトルとキャッチコピー。人によってはうわっと目を背けて逃げ出すかもしれない。背徳的な興味を引かれてページをめくるかもしれない。
だけどこの物語は、読者のそんな先入観や予想をあっさりと突き飛ばして、軽やかな足取りで遠い未来の超格差社会の中を駆け抜けていく。
地球レベルでの環境破壊と汚染の果てに人類が作り上げた「汚れたミルフィーユ」と例えられる階層世界。そこは文字通り泥の中をはいずって生きる人々の住む最下層(ゲヘナ)から、キリスト教の天国になぞらえられた上層部の楽園までが、高く高く積み重ねられ、厳しく分断されていて。
そんな社会の底辺で生まれ育った少女が、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ライトな文体とキャラクターで語られる本格的な女性視点ディストピア作品
実の所、恥ずかしながらこれまでディストピア小説というものは基本男性視点のものしか嗜んでいませんでした。
完全に管理され、歪んだ階層社会の中で足掻き。場合によっては暴力や知恵、あるいは外に踏み出す事で状況を打破する。枠組みを壊し明日を掴む物語が殆どで。
当然、主人公が女性の場合もあったかもしれませんが。それでも彼女たちは大抵の場合、女性らしさではなく、男性と同じ手段で世界に立ち向かっていて。
そういう意味で本作のマリアは僕にとって衝撃的なキャラクターでした。
我々から見れば恐ろしいディストピアの中で、彼女なりに理性と正しさを持って少しでもマシな未来を掴もうと。足掻いていく姿は彼女の真っ…続きを読む