第一回 デウス杯(本編)

第1話 開幕OP

 

「さぁやって参りました!!

 第一回マジック・デウス・オンライン100人バトルロワイアル大会!!

 やけに長いので大会名を『デウス杯』と名付けお送りします!

 この大会の実況を私『DJカラス』と!」


「はい、バーチャル実況者『サクラ』でお送りします(*´ω`*)」


 後方に大きなスクリーンパネルを設置して、2人の男女が動画サイト「ワラワラ」で生放送を進行していた。

「DJカラス」と呼ばれている男は名の通り顔に鳥のカラスの顔をした仮面を被っている。

 一歩、バーチャル実況者「サクラ」はアニメに出てくるような姿になっており、桜色を中心とした服を着飾っている。もちろん、髪の毛はピンク寄りでふわふわのショートボブだ。この姿は実際の姿ではなく、ネット経由で仮想のモデルが映し出されている。

 彼らは今、自身のチャンネルで約100万人ほど登録者が存在しており世間を賑やかせている人気者だ。

 そんな彼らが今回実況するのは、日本の、いや、世界のゲーマーが注目するゲームなので、現在の視聴者数は3万人を突破した。それほど世間が注目している大会ということだろう。


「やっと始まりましたよサクラさん! この時をどれほど待ちわびたか!」


「はい! 私も楽しみでした(^^)」


「今回の大会内容は説明する必要ないよな!みんな知ってるだろうし、何なら詳しいゲーム性は秘密裏にされていて俺らでさえ知らない、何て会社だよ全く」


「そうですね〜(´-ω-`) 戦闘はもちろん楽しみなんですけど、どんなゲーム性でギミックに何があるのか楽しみですよね( ´ ▽ ` )」


「よし、ではさっそく今回の大会参加者を紹介していくぜー!! まずはコイツからだー!」


 カラスが今日大会に出場する参加者を紹介していく。紹介する順番はテスト版のランキング50位から順に上がっていく。誰もが名が通っている強者ばかりで、視聴者はどんどん盛り上がっていった。


「そしてダブルス2位で突破したのはチーム名『閃光』の『カイナ&アーテル』だ!!」


「きましたね、優勝候補( ̄^ ̄) 彼らは色んな大会で名を残してますからね!」


「さらにアーテルは伝説のチーム『ブラッドオーシャン』のメンバーだったからな。昨年突然の解散をしたが……未だゲームの巧さは健在だ! これは注目のチームだぜ!!」


「ええ、さらにダブルス1位で抜けたのはチーム名『女王』の『アル&グレイ』ですからね! 『ブラッドオーシャン』対決が見れるわけで楽しみが倍増です(^o^) このマッチアップは見逃せません」


 視聴者が様々なコメントを残す。そのコメントは後方の大きなスクリーンパネルに流れて盛り上がりが目に見えるのだ。

 そのパネルからコメントが消え、「60」から秒数が減ってカウントダウンが始まった。


「さてみなさん、このカウントが0になるとゲームが始まりますよ!」


「はい、それではゲームのルールを一応振り返りましょう( ´ ▽ ` )」


 カウントダウンの数字が左上に小さくなって移動した後に、中央へMDOの説明文が表示される。


「まずフィールドは10km×10km四方のフィールド(島)にランダムで50組が配置されます。もちろん直ぐに戦闘にならないよう最低限の距離を空けて配置してます。そこから様々なギミックを乗り越え闘い抜き最後の1組になるとゲーム終了となります」


「そこはよくあるFPSのゲームと似てるよね。ただおそらく銃でなく魔法が使われると予想されるから……どうなるかだな」


 そして徐々にカウントダウンが0へ近づいてきた。


「よし、みんな!! 10からカウントダウンを数えようぜ!!」


「みなさん行きますよー! 10、9、8……」


 カラスとサクラの合図により、コメントでも一斉にカウントが始まる。





「「3、2、1、ゼロー!!!」」






 この瞬間、一斉に100人のプレイヤーがフィールドに解き放たれた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る