第4話 マジック・デウス・オンラインの案内
それは嵐のよう突然の事だった。
例えば余震のない地震、前触れのない雨、または青天の霹靂か。
とにかく海那が何も予期していない時にメールが届いた。しかも授業中に、だ。
普段は授業中にメールなんか確認しない。しかし今日は「ライゲキ」から何か発表メールがあるのではと思っていたので、一応の確認をすることにした海那はメールの題名を見て内容を読むことにした。
「き、きた……ライゲキからだ」
しかも題名は「『MDO〜マジック・デウス・オンライン〜』招待のお知らせ」と書いてあるのだ。
招待というワードに若干の違和感を覚えながらも、とにかく中身を見てからだと考えたので気にせずにメールを開くことにする。
「高無海那様。
この度はマジック・デウス・オンラインのβテスト版にご参加頂き、誠にありがとうございます。
つきましては、βテスト版にて
『シングル戦闘勝利数トップ100名』
『ダブルス戦闘勝利数トップ50名』
これらの方々へ正式版マジック・デウス・オンラインにご招待いたします。
高無様は
戦闘撃破数 ダブルス部門 第2位
『カイナ&アーテル』
以上の好成績を残しました。
よって、正式版マジック・デウス・オンラインへご招待させて頂きたます。
詳しい内容は以下のURLに…… 」
このメールを見た時に叫ばずに大人しくするなんて少なくとも俺にはできなかった。
「きたぁぁぁ!!!! 晶ちゃん!!!MDOの正式招待だってよ!! 」
ちなみに、現在進行形で授業は進んでいるわけで……
「…………ばか」
晶ちゃんは見向きもせず俺を罵り
「おい、高無、貴様あとで職員室に来い」
当然、先生からお叱りを貰うのだった。
--放課後--
「あぁ……尾崎のやろう、説教が長すぎるだろ。ちょーとくらい叫んだだけであんなに怒るかよ普通」
「それ本気で言ってる?」
もはや呆れて言葉が出ないらしい。
ちなみに、尾崎とは国語の教師の尾崎先生で、これまた学校1めんどうな教師だったりする。
まぁでも、この先生の30分間に及ぶお叱りの間、先に帰らずしっかり待っててくれた晶ちゃんマジ可愛い天使かよ好k――
「変なこと考えてそうだから言うけど別にアンタを待ってたんじゃなくてMDOの情報みてたら遅なっただけだから」
どうやら俺の勘違いだったらしい。なんか泣けてきたけど結果オーライだから良しとしよう。
「それで、MDOの詳しい内容は分かったの?」
ぶっちゃけ叱られている間、先程のメールのことしか考えれない状態だったので、ありがたいお言葉は全て右から左の耳へ受け流された。
「うん、βテスト版と結構変わっていることが多い。まず――」
晶ちゃんが俺に説明しようとしたとき、残念な本日第二の嵐が飛び込んできた。
「カイナぁぁぁあ!!!! 次こそ殺してみせますわぁぁあー!!!!!」
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