第6話 説明しよう! MDOとは――

 

 とりあえず嵐が過ぎ去ったので、いつも通り帰宅することにした。

 ある程度は晶ちゃんから説明を受けたが、自分の目でMDOの内容をしっかりと確認することにする。


「えーと、このURLから開いてっと……」


 メールから別のサイトに飛ぶと、しばらくロードが入り動きが鈍くなった。おそらく多くの人が同じページに集中しているからであろう。上位ランカー以外にもメールが行き渡り誰でもMDOのサイトに飛べるようになったから、みんな考えることは一緒なのだ。

 やっとこさ開けると、そこには殺伐と広がる荒野がHPのトップに上がったいた。時間が経つと、大自然だったり、都市だったり、地下だったり、様々な景色が映し出される。


「なんだ……このマップで争えってか」


 この予感は的中し、次のページにクリックするとMDOの説明文が流れ出す。


「 ~マジック・デウス・オンライン~


 それは――魔法が全てを制した世界。


 20XX年、とある研究者が大魔法の開発に成功する。その魔法はあらゆる奇跡を叶える神の産物だった。この強大な力を恐れた研究者は、例の魔法を神の魔法『デウス』と名付け、遥か遠く人が寄り付かない島に封印することを決断した。しかし、どこからか『デウス』の情報が各国家に漏れ、第X次世界大戦が勃発。その戦火は収まること知らず、人類の8割は消滅してしまう。

 だが、その戦争も終わりを告げようとしていた。

『デウス』が眠るとされる島が発見され、これが最後の戦闘だと予期した世界各国の政府は精鋭部隊を島に送り込む。


 いまここに、世界の命運を握った戦争が始まろうとしていた――   」


 なるほど、つまり俺たちは国に派遣された戦闘のプロで、他の参加者が他国から放たれた敵ってことだ。

 そして参加人数はダブルスで50組だから100人のバトル・ロワイアルってことか。まあ、最後の一組になるまで戦い続けるだろうから、最悪はアルと戦わないといけないわけね……。

 そんなことを考えていると、さらに説明文が表示される。


「本作品が発売される前にテストプレイ上位の方を参加者とした大規模大会を実施します。

 大会上位者には本作品で使える順位に応じたエンブレムと賞金が贈呈され、また視聴ユーザーから優勝者予想を的中した方にも景品があります。

 ぜひ参加してみてください。」


 つまり大会でMDOを盛り上げつつ、視聴者も集めて宣伝をするわけだ。なんとも上手い商売方法である。


 しかし、全て滞りなく見ても肝心の情報がないことに気づく。


「戦闘手段は武器なのか……? 銃やら剣はテスト版で扱ったけど、魔法は一回も出なかったぞ。こんだけ魔法を推してるなら、なにかしら魔法系のアイテムはあると思うんだけど……」


 まあ無いものは考えても仕方ないし、いざ始まってからの楽しみというのもいい。


 開催日は来週の日曜日15時スタートと書いてる。


「さっそく晶ちゃんに連絡して予定決めよっと!」





 ―――――――――

 ――――――

 ―――

 ―





 時間はあっという間に過ぎていくもので……とうとう大会当日となった。




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