第22話 MDO配信Part2
「いやぁ、とうとうデウス杯も終盤に近づいてきましたね(^.^)」
「そうだなー! 残り人数も20人を切ったから、もう数えるほどしか戦闘は見れないぞ」
第一回マジック・デウス・オンライン100人バトルロワイアル大会「デウス杯」実況席では、ゲーム実況者の『DJカラス』『サクラ』が視聴者と観覧を楽しんでいた。
「さっきの『Ken』『Tate』vs『Sword』『Shield』の戦いは面白かったな。互いに良いコンビネーションで、なかなか戦闘終了まで決められず、結果的に相打ちとは……」
「おそらく、相打ちは彼らが初めてです。シングルならまだしも、チームで相打ちは珍しい戦いでした(^_^;)」
後方のスクリーンでも、コメントが大騒ぎになっている。
『あれは良き試合』『4人に敬礼』『888888』『gg』『俺も次は参加したい』『やはり支援物資で争うか』『漢の争い』『女王籠城戦も決着』『まじやばい』
「そうそう、『女王』の籠城戦も凄かったです!! まさかあんな形で戦闘が始まると思いませんでしたね。支援物資を全チームの中でも一番初めに要請したのに、予想外の展開で結構な時間がかかりましたから(・_・)」
「まあ、あれもありだろうな。ルール違反ではないし、最強を倒すなら一番手っ取り早い戦法だ」
ついさっきまで複数の地で見どころある戦いが行われていたのだ。よって、後方のスクリーンは様々なシーンを切り替えたり、視聴者人気の高い戦いを移したりと、実況者も視聴者も祭りのような賑わいをしていた。
『あれは賢い』『俺でもする』『しかし卑怯だとも言える』『勝てば何でもいいだろ』『そもそも禁忌使いがチート』『それなww』『バーニング兄弟も凄かったぞ』『アーテルたんつおい』
「そうだな! バーニング兄弟vs閃光も素晴らしかった。やはり支援物資から手に入る武器や魔法は最強と言っていい性能だった」
「はい、あの魔法は火の最上級魔法で、対象に即死級のダメージ+戦場を炎上化します。つまり避けても辛い戦況になりますね(^_^;)」
「さらに炎将寺選手が使った武器も振るだけでイグニスを放つようなものだからなぁ。しかし、その2つを乗り越えた『閃光』はさすがとしか言えない!!」
一通りの戦闘を説明し、生き残った選手の紹介を終えたところで、実況席は各戦闘の盛り上がったシーンを実況者がピックアップして振り返るコーナーになった。
そして特に反響が強かったバーニング兄弟vs閃光の番になる。
「獄炎寺の格闘技、あれはカッコよかった。俺も練習しようか!!」
「いやいや、カラスさんはトレイスの扱いからマスターしましょう(´・ω・`)」
『下手くそが言うなww』『あれは真似できない』『外の力だもんな』『魔法ゲーに格闘技の内の力は無い』『外の力は許す。禁忌はタヒね』『禁忌の修正はよ』『社会問題だしな』
「まあ、やはり賛否両論だな。外の力はまだしも禁忌に関しては実況者として触れたくない……炎上するから……しかしさすがに説明しないわけにはいかないか」
「そうですね~(._.) 初めて『トレイス』に触れた人は何がなんだか分かりませんから」
カラスとサクラは、若干嫌な顔をするも視聴者に説明を開始する。
「でも、これらに関して説明する前に『トレイス』の仕組みから説明しないとな」
「はい、では順番に説明していきましょう(^^)」
サクラは後方の巨大なモニターを視聴者が理解しやすいように操作した。
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