この作品に出てくる人物は、それぞれに愛を求めている。愛したくて、愛されたくて、求めたくて、求められたくて。でも、世界には自分と相手しかいないわけではない。他にも人がいて、自分の邪魔をしようとする。自分の求める愛のために。この作品に出てくる人物に悪人はいない。ただ、愛ゆえにすれ違ってしまっただけなのだ。そして、それぞれの愛の向かう先にある世界とは何なのか?最後まで目が離せません!
まず、登場人物の設定がしっかり練られているのでわかりやすかったです。黄杏ちゃん、いろんな犠牲の上に立つ強い子です。王と知っての葛藤、見ている私まで苦しくなりました。そして、お兄様。妹のためなら…と取った行動に涙が出てきました。そんな将拓も、最後は報われる…そんなハッピーエンドを想像していなかったのですごく嬉しかったです。様々な葛藤を繰り広げ、最後は誰も傷つけない。そんな綺麗で少し切ない夢物語です。ラスト話を読んで、素直に「読んでよかったな」と思えるお話でした。
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