概要
職失い、失意の中実家に帰ろうとした果歩は、月の光に導かれ、和菓子屋「兎月堂」へと入る。
そこでイケメンの店主、卯月さんと美味しいおはぎに出会った果歩は、住み込みのアルバイトを募集していることを知り、働くことを決意。
だが実は「住み込み」とは卯月さんとのルームシェアの事だった!
そしてその日から、イケメンだけれど少し変わった菓子職人、悠一との同居生活が始まった。
さらにそこに、卯月さんの弟の美少年、秋葉くんやノリの軽いお兄さん、大吉さんも現れ、果歩の日常は大きく変わっていき――。
◼参考文献
『あんこ読本』和菓子好き委員会あんこ部(PHP研究所)
『季節をつくる わたしの和菓子帳』金塚晴子(東京書籍)
『日本のたしなみ帳 和菓子』『現代用語の基礎知識』編集部(自由国民社)
『電
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- ★★★ Excellent!!!あまくても、あまさとともに、生きていく。甘さあるこの場所で。
本作は主人公・果歩が会社を辞めて和菓子屋で働きはじめるところから始まるラブストーリーです。
退職のくだりは、果歩が(本人も自覚しているとおり)年齢の割にあまさがあることもあって、なかなか心にくるものがあります。でもそれは必ずしも後ろ向きな選択というわけではなく、自分が笑顔でいられる場所に向かうことでもあって。
逃げちゃダメだと人は言う。でも、自分のあまさを受け入れて、自分が甘いと感じるものと時間をかけて向き合っていくことは決して逃げではない。何より心がぽかぽかします。
母の来訪や栗拾いデート(?)の際の軽いドタバタもほっこりしましたし、果歩のちょっとずつの成長も見ていて好ましく思いまし…続きを読む - ★★★ Excellent!!!背伸びして入ったカフェで拝読したい。そんな印象を持った物語です。
手抜きなしのイベントと、四季を彩る和菓子が織り成す恋愛ストーリーです。
会社を辞した主人公、果歩。
その果歩が、誘われるように入った和菓子屋の主人、悠一。
果歩は和菓子屋のバイトに就き、雇い主である悠一と同居が始まる展開。
拝読する側のボルテージは、その時点でマックスでしょう。
何かが起きる。起きないはずがない。
期待感は高まります。
しかし、少々のハプニングはありますが、
二人が持つ独特な感性によって、最初から世界が重なるようで重ならない、新たなジレジレ感。
普段、私は恋愛モノは拝読しません(失礼)。
出会えば速攻、交渉成立の図式しかない無作法者の私は、この作品を拝読して目から鱗でし…続きを読む - ★★★ Excellent!!!甘いだけじゃない優しい気持ちもおすそ分け
等身大のヒロインが人生に疲れたときに、偶然見つけた和菓子屋さん。
それだけでも、癒されるのが日常に疲れている現代人なら共感してしまうと思います。
現実ならちょっとした息抜き程度の癒やしで終わってしまうけど、そうじゃないのがこの優しい物語の素敵なところ。
和菓子屋さんのイケメン店主と同居するなんて、物語の中でしか楽しめない。存分に、甘くて優しい同居生活を楽しませてくれます。
甘さにニヤニヤしたり、優しさにほっこりしたり、トラブルにハラハラしたり、でもやっぱり甘くて優しい気持ちにさせられます。
お茶と和菓子を用意して読んでみるのもいいかもしれませんね!