概要
陰謀渦巻く巨大なカジノ街、その中央の超高層タワービルを舞台に、秘宝『ブラスクラムの三日月』を巡る争いが巻き起こる。
「――怪盗に、盗めないものは、ないのです」
摩天楼の最上階、決して眠ることのない不夜城に――怪盗は、三日月と踊る。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!気づけば時間を盗まれていること間違いなし!
この作品を読んだ時、まず登場人物たちのクセの強さに驚き、次に群像劇としてのクオリティの高さに驚き、最後にその圧倒的なまでのエンタメ性に驚きました。
そう、面白いんですよ。この作品はただひたすらに面白い。
登場人物はみなどこかしら変なんですが、それでも(もしくはだからこそ)憎めない。それはきっと彼らのぶっ飛んだ個性だけでなく、行動から垣間見える芯の強さや、彼らなりの人生哲学を感じるからなのでしょう。
悲劇を喜劇にひっくり返すのは、いつだって『信念のあるバカ』の役目と決まってますから。
そんな『信念のあるバカ』が九人も出てくるこの群像劇コメディは、これ以上ない面白さのエンターテイメント作品だと断…続きを読む - ★★★ Excellent!!!極上のエンターテイメント作品をあなたに。
これ以上の娯楽作品を私はカクヨムで読んだ事が無い。それぐらい圧倒的に、恐ろしいほどに、面白すぎた。
文庫本で出たら買ってしまうレベルです。
言うまでもなくストーリーは絶品。
目まぐるしい群像劇や展開に押しつぶされてしまいます。ラストの演出も最高でした。
序盤に関して。主人公(いや、全員が主人公?)が出てくるまで少し時間がかかってしまいますが、そこは作者様の技量でカバーしてあります。
特筆すべき、グイグイと目を引っ張る『楽しい地の文』で。
“力技”なんて安い言葉に収まりません。まさに『読ませるブラックホール』です。
余計な話は推敲して削るのが主流な今日に置きまして、私は逆です。余計でくだ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ジェットコースターのように目まぐるしく、ハイスピードで駆け抜ける群像劇
酒と女とカジノの街にそびえる摩天楼を舞台に、ちょっと、いや、結構おかしい人々がてんでバラバラ好き勝手に、しっちゃかめっちゃか動き回りながらも一点に向かって駆け抜けていく、カオスかつシュールかつハイテンションなコメディ作品です。
色々と拾ってしまう天然受付嬢や、脚力おばけの受付嬢、思ったことをなんでも口にしてしまう社長秘書、泣き虫な財閥社長、怪盗逮捕に燃える捜査官、エリート然としたその部下、そして怪盗紳士。
こうした個性的な人物を怒涛の勢いでもって、しかも高頻度で視点を変えながら描きつつ、謎や伏線もばら撒いて、そして最後には綺麗に収束させているのは本当に見事ですし、気持ちがいいと思いました。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!おもしろかったです(ちょっと今うまく息できない)。
ちょっと変な人たち(泣き虫社長とか、だだ漏れ秘書とか、ど脚力の受付嬢とか)がいっぱい出てきて、あっちに行ったりこっちに行ったりをタワーの中(外もある。外もちゃんと世界)で繰り広げて、でもそこには謎(!)とか仕掛け(!!)とかが散りばめられてあって、変な人だったはずの人たちにそれぞれの思い(切実なやつ)があって、だからこう動くんだ(行動原理。みんな自分のパートでいっぱい語ってくれる)というのがあって、それが集まって物語をすごい力(文章の圧力。押し潰されないように注意が必要)で押し進めていって、あれとかこれとかもあって、あぁ(驚愕)、えっ(うそやろ)、あぁ!(やってくれた)となる、要するに息継ぎ…続きを読む
- ★★★ Excellent!!!ウィットとカオスの競演
32話まで読みました。ネタバレ極力ナシ。ふんわりと展開の雰囲気を匂わせるレベルのレビューなので、ほんの少しでも匂わされるのもイヤだと仰る方は回れ右下さい。
次から次へとめまぐるしく視点が変わりつつ、全体としては一つの舞台、すなわち巨大なカジノ街とその核たる財閥を巻き込んで引き起こされた事件を巡る、ドタバタサスペンスコメディ、という作品です。
まずはご挨拶とばかりに登場するキャラクターたちですが、まず皆が皆おしなべてひどい。狂人一歩手前か一歩手遅れといった感じの、ハイインパクトなヤバさを一斉に振りまいて、華々しくストーリーと事件の両方が幕を開けます。ただ、ヤバいと言いつつも彼ら一人一人はそれ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!実験的ハイテンションシュールギャグ群像タワーパニック怪盗群像小説
ごめん群像二回言うた。
表題の通り、本作はハイテンションシュールギャグ群像タワーパニック怪盗小説で、ハイテンションシュールギャグ群像タワーパニック怪盗小説が何かって言うと、申し訳ないけれどそれはぼくにもわかりません。
でもハイテンションシュールギャグ群像タワーパニック怪盗小説(以下、怪小説)としか言いようがないんですよね。
「とりあえずおれが面白いと思うものを全部ぶっこんでみよう!」というアレをアレした結果、なんか物理学を無視した奇跡的なバランスでなんかがそびえ立ってる、みたいな感じです(ほめてる)。
読んでる感じ、読書というか映画を見てるような感覚ですね。
クエンティン…続きを読む - ★★★ Excellent!!!みんな違ってみんなアレ
道を歩けば事件をひろう、天然受付嬢。
類いまれなる身体能力、おっさんキラー受付嬢。
見た目は大人、頭脳は子供、股間もメンツも潰されがちだぞ社長。
思った事は口にでる、情報セキュリティ的に大丈夫なのか秘書。
俺KAKKEEE15歳、レジスタンスリーダー。
可憐な横顔に少女の憂いを宿した、破壊力(物理)抜群の幼なじみ。
みんな違ってみんなアレ。
アレもコレもが「よーい、どん!」で作品世界を駆け回り、思わぬ角度から飛んでくるスナッピーなジャブ、ジャブ、ジャブ。
前作のグルーヴが幕ノ内選手だとしたら、今作は間柴選手。
振り下ろしの右に備えよ!
BGM: 「天国と地獄」