長弓のエレ

私は女主人公の転移小説が好きなので、楽しく読ませていただきました。
最終話、納得できる結末でよかったです。

あらすじを説明するしようにも、全てがネタバレになりそうなので……
乱暴に説明してしまうと、『異世界転生・転移モノ』
しかし、今昨今に溢れる『異世界転生・転移モノ』とは一線を画します。違います。もう別物です。
他の人も絶賛してますが、まずそのリアリティが凄い。ファンタジーですが、何て言うのか……『生』かな。ナマ。うん、適当ではないかも。難しいな、この感覚を伝えるの。最近のファンタジーが深夜アニメなら、これはハリウッドで数百億の金がかかられた実写ファンタジー、って感じです。

アラフォーで息子がいて、仕事にも重責が伴う女性が主人公です。
異世界に来た彼女は、沢山の『選択』に迫られます。
しかし、…続きを読む

ようこそ、地球で一番面白いファンタジー小説の入口へ。

えっ、チート能力で無双して、ハーレム展開で女の子に囲まれて、きゃっきゃうふふ？
はあぁ。これだから、近頃の若い人は……。
良いですか？ 弱い者いじめがしたいのであれば、コンピューターロールプレイングゲームで、レベルカンストして、最強装備で、好きなだけ魔王をいじめて下さい。
ハーレム主人公に自分を重ねて、夢見心地になるのも結構ですが、あなた自身は、ほんのこれっぽっちもモテるようになっていませんわよ？
そんなゆる〜い物語に慣れ親しんだあなたたちに、本当の小説の面白さを教えて差し上げますわ。お覚悟！

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四十代の女性の精神が、異世界の十八歳の少女の体の中に転移！？

奇想天外なストーリーではありますが、戦闘シーンや情景描写はとても読みやすく丁寧に描かれ圧巻です。
竜や魔法は異世界ファンタジーならではこそ。
中盤以降の戦闘シーンでは、ハラハラの連続。

この先、世界がどう変わって行くのか……。

作品に込められた深いテーマ。
余韻の残るラストシーン。
是非、ご一読下さい。

整えられて読みやすい描写力にまず目を奪われます。
ここまですっと読めるのにしっかりと情景を思い浮かべることが出来るなんて。
生活や戦闘といったあらゆるシーンでその力が発揮されていて、一気に物語の世界へと引き込まれてしまいます。

事が始まるのは少々あととなりますが、異世界に生きる人々に召喚された主人公が関わっていくようになってからが本番。
状況は厳しい面もあったのに、そこに至った人たちや関わった人たちの想いを蔑ろにせず向き合っていくエレの姿勢と覚悟をどうか見て欲しい。

異世界やその先に居る人々への距離の取り方というか描き方が徹底していて、主人公に寄り添いながらもフラットに彼らを見て行くこと…続きを読む

お城や街、地下世界に山岳地帯など、どの舞台もきれいに描写され、ファンタジーの魅力たっぷり。
そこに出てくる人々や竜などの生き物も含めて、まずはファンタジーらしい雰囲気を存分に楽しめる作品だと思います。

そんな世界を、大人の落ち着きを漂わせる（外見）少女の視点で飛び回るストーリー。
重いテーマも含みますが、主人公の性格のおかげか読みづらくなるようなことはありません。颯爽と竜に乗り空を翔ける、そんな空気が似合いそうな物語です。

ファンタジーらしい作品を楽しみたい方、ぜひお試し下さい。

４２歳バツイチ子持ちの女性課長さんが転移、そこを真正面から描いた物語です。
思考も手腕も設定を裏切らず、主人公には年齢相応の魅力があふれています。

では、大人向けの古臭いファンタジーかと言うと、そんなことはありません。
軽やかな語り口は読みやすく、激しい戦闘もあれば、人と人との駆け引きもたっぷり、転移ファンタジーの面白さはバッチリです。
表題の長弓はもちろん、剣と魔法、ワイバーンに騎士にと、王道ファンタジーの定番はキッチリと押さえられ、それぞれに見せ場が用意されている良心設計。

さらに、骨太のテーマが作品を貫き、最後の一話まで読者にも「問い」続けます。
答えを求めて異世界を飛び回る、ハイ…続きを読む

現代から飛び込んできた主人公が異世界で活躍するお話はよく目にしますが、これはまったく新しい着地点を見出だしています。まさしく、大人のための異世界転生。

これでよかったのか？
これが正しかったのかと彼女はきっと考え続ける事でしょう。

本当の正しい選択肢なんて誰にもわからない。それでも、彼女の生き方や選んだ道はこの世界に繋がってそして、これからもその世界では人々が生きていく。なんとも「その後」に創造力を掻き立てられる作品でした。

ありがとう！

突然異世界に召喚されたエレ。エレの見た世界の大きな仕組みと、その中で暮らす人々のそれぞれの思いが、いろいろと考えさせられるお話でした。

意外なところからスタートを切る本作ですが、気がつくと圧巻の世界観。「異世界転移もの」と気安く括ってほしくないテーマの重厚さが軽やかな文体とともにテンポよく紡がれます。魅力的で個性あふれる登場人物。緊迫感でぞくぞくの戦闘シーン。アイデアを前面に押し出しながらも嫌味なくスッと引き込ませる展開。カメラ視点が脳内で高速に再現されるドラマ。心地よい読後感。そして、きゅうり。

まだなら是非体験してみてください。