カノーネの恋人

　主人公ヒメルは、先天的な怪力の持ち主であるという特異体質を生かし、事件屋として活躍している女性である。ヒメルの相棒、ゲアハルトはカノーネ（バズーカ）でありながら人格を所有し、彼女の相棒兼武器であるという変わった男。彼は肉体が死んだために精神だけをカノーネに移植した存在だった。
　その二人の赴くところ、必ず硝煙と血が漂った。
　今回〈カノーネの恋人〉という二つ名を持つヒメルに依頼されたのは、犯罪組織同士の抗争の鎮圧であった。
　そして、殺し屋アーマンドの拳銃を盗んで殺人を繰り返す「ぼく」。
　ゲアハルトが人間だった頃の知人であり、今は組織の用心棒となっているブリジット。
　ヒメルの依頼はやがて大きな騒動を巻き起こす。