虫愛づる姫君　巻の二

かの高名なる虫愛づる姫君は、今日も都の草むらで虫を熱心に観察していらっしゃる。「蜂飼いの大臣」の二つ名を持つ父君と、静やかな母君は、そんな虫姫を見守り慈しんできた。

だが、今まで繰り返されてきたこの平穏な日常が、ある日、父君の発した一言によって変調をきたし始める。見え隠れする捜査機関の影。耳を掠める噂話。頻発する幼児誘拐事件。何が起ころうとしているのか。姫の不安をよそに、父君はもっと見識を広げなさいとおっしゃるのだが。

崑崙人と対話したり、さまざまな人々や虫との関わりを通して、虫姫はついに、ある結論へと達する。果たして、やさしい父君にかけられたおぞましい嫌疑を、虫姫は見事晴らすことができるだろうか？

『堤中納言物語』中の一編、「虫愛づる姫君」の続編を考えてみました。ミステリー風の謎解き…続きを読む