文章がとてもお上手で、まるで自分自身が大正時代にタイムスリップしたかのような、そんな読書体験が味わえます。
「大正時代」「陰陽師」「ミステリー」などときくと、難しそう……と身構える方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、こちらの作品においては、そういった心配はまったく必要ありません。
むしろライトに読めて、すぐに作品世界へと引きこまれてしまいます。
恋愛要素もあるので、そういった面でも楽しめるかと思います。
大正時代の雰囲気や空気感がよく出ていて、心地よく読み進めることができます。
また、なによりその時代を生きる人たちの息づかいが伝わってきて、みんなキラキラ輝いているところに、特に魅力を感じました。
おすすめの一冊です。
ぜひお手に取ってみてください。
時は大正10年。
失踪した姉を探すために、北海道釧路から帝都まで出てきた亜寿沙は、ひょんなことからイケメン虚弱体質の陰陽師維吹の弟子になってしまいます。
「あやかしなんていないし!」
そう豪語する亜寿沙は、知識と情報、行動力で謎を解いていくのですが……。
「うそでしょ⁉ 本物⁉」の怪異に見舞われて……。
さあ、どうする亜寿沙⁉
登場人物は、いずれも個性的。
冷徹な帝国軍人(謎多い)や、オカルト雑誌編集者(お調子者)、ロシアから来た商売人(金髪碧眼)などなど。
物語を盛り上げるのには十分な役者ぞろい!
時代考証がしっかりしているうえに、いろんな豆知識も手に入れられる本作。
会話はリズミカルでテンポよく進み、ちりばめられた謎が随所に仕込まれています。この伏線回収がいまから楽しみ。
物語は始まったばかり。
ぜひご一読を!
姉を探してはるばる北海道から帝都にやってきた少女の視点で語られる、ミステリーヒューマンドラマ作品です。
主人公は失踪した姉を探すため、家出をしてまで帝都を訪れます。実家も姉の行方は捜していますが、その方法が当て屋や拝み屋といった眉唾の方法ばかり。
居ても立ってもいられなくなった少女は、訪れた帝都で奇妙な催しの場に遭遇します。
その催しを一言で語ると怪談の粗探し。他の者達が小難しい理論を展開する中、少女は物語の矛盾をピタリと言い当てます。
その結果、あれよあれよという内に、主催に弟子入りすることになってしまいました。
あやかしは存在するのか。姉はどこに行ったのか。行動力の塊な少女が巻き起こす帝都の一幕。
ぜひ読んでみてください。
大正時代を舞台にした明るい謎解き物語。
あやかしなんて存在しないと信じる頭脳明晰な主人公「亜寿沙(あずさ)」が、華麗に推理を披露して事件を解決! ――のはずが、本当に怪奇現象が起こってる!?
亜寿沙は行方不明の姉を探すため、はるばる釧路から出てきたお嬢さま。
姉の部屋に残されていた手がかりから陰陽師を訪ねるも、姉の行き先はつかめず。
でも亜寿沙は陰陽師の店子兼弟子として、彼と行動を共にすることとなる。
大正時代の帝都の様子が生き生きと描かれていて、心が躍ります。
また軽妙な会話劇にも笑わせてくれるシーンがたくさん。
どことなく、落語でも聞いているかのような楽しい雰囲気に惹き込まれます。
また主人公の亜寿沙が実に理屈っぽく、名推理を披露するのも楽しいです。
でもあらすじを読むとどうやらこの物語、本当にあやかしが出てくるようなんですよね・・・
美少女探偵と呼びたくなる亜寿沙と、本物の力を持つらしいイケメン陰陽師が、どんなふうにあやかし事件を解決してゆくのか、楽しみです!