第40章 嵐 黒 認 坂 三 低
40―1 【嵐】
【嵐】、人は「山」と「風」の組み合わせから、山から吹き下ろす強風、それが【嵐】だと解釈してしまう。
しかし、元の意味は山気(山間のもや)のことだそうな。
これを表す「嵐峰」という熟語がある。これは山気がたちこもり、青く見える峰のことだと。
いつの間に「山」の「風」の暴風雨になってしまったのだろうか?
それがよくわからない。
そんな【嵐】を、親鸞聖人は9歳の時に、
「明日ありと思う心の仇桜 夜半に【嵐】の吹かぬものかは」と詠んだ。
意味は、要は世の中何が起こるかわからない、だから気を付けましょうってこと。
そして、え、9歳? ホント? と疑ってしまうが、昭和初期に愛染かつらは旅の夜風で唄った。
♪ 花も【嵐】も ふみこえて 往くが男の いきる道
泣いてくれるな ほろほろ鳥よ 月の比叡を 独り行く ♪
ここではっきりしてきた、【嵐】は踏み越えるものだと。
そんな【嵐】を冠にした、ジャニーズ事務所所属の男性アイドルグループの【嵐】(あらし)、飛ぶ鳥を落とす勢いだ。
メンバーは、敬称を略させてもらって、1980~1983年生まれの大野智、櫻井翔、相葉雅紀、二宮和也、松本潤の5人。
世界や芸能界に【嵐】を巻き起こしたいと、1999年ホノルル沖のクルーズ客船にてデビューした。
しかし、この5人、相葉君がAB型で、後の4人はA型、極めて血液型が合致した集団なのだ。
ああ、それでなのか、あまりハチャメチャなところがなく、みんな【嵐】っぽくなく、仲良くまとまってるなあとTVを観ながらいつも思ってしまう。
ならば兄貴分のSMAPは?
敬称を略させてもらって、中居正広、草彅剛、香取慎吾がA型、木村拓哉、稲垣吾郎がO型。
うーん、なるほど、O型が混じってるだけで、ちょっとハラハラさせる。
それにしても奇妙だ。どちらもB型が混じっていないのだ。
しかし、1人いた。SMAPの元メンバーの森且行がB型だった。
なんの根拠もないが、馴染めなかったのかなあ? と勝手に推測を巡らせ……。
B型の人が混じった方がもっと人情味が溢れるのになあと思ったりもして。
いずれにしても【嵐】、元の意味は山の
暴風雨でありながら、どことなくもやもやとする漢字なのだ。
40―2 【黒】
【黒】は
「白」は白骨化した頭蓋骨の形だから、これとは随分と成り立ちが違うようだ。
そんな【黒】、宇宙にはブラックホールがある。
重力崩壊、すなわち星が自分の重力に耐え切れず、どんどんと自分の重力で収縮して行き、その果てにブラックホールとなる。
それは何もかもを吸い込んでしまう。そして、そこから時間も光も抜け出せず、一見すべてが止まったように見える。
すなわちブラックホールの一瞬は我々の世界で永遠に匹敵する。
裏返せば、我々の方からブラックホールを眺めると、すべてが止まったように見えるのだ。
そんな恐ろしいブラックホール、一体、どれくらい収縮したらそのような世界になるのだろうか?
答えは――地球が直径18ミリ以下になれば、ブラックホールになると言われてる。
スマートボールが直径20ミリ、パチンコ玉が11ミリ。
地球がこの程度の球になれば、ブラックホールになるのだ。
随分と息苦しいし、また真っ暗。
まさに地獄だ。
いずれにしても【黒】という漢字、そんな暗黒世界へと人たちを誘惑する。
くれぐれも吸い込まれないように。
40―3 【認】
【認】、かって収穫した稲の所有権を主張することだとか。
そこからその主張が「みとめる」の意味になったそうな。
一方、英語では「recognize」。
その名詞に「recognition」(リコグニション)という言葉がある。意味は一般的に「認知」となってる。
かって米国に駐在していた時に、あなたが会社に求めるものは何か? と従業員にアンケートが取られたことがあった。
選択肢は
1.給与アップ
2.福祉充実
3.休暇増
4.リコグニション(認める) ……等々だった。
以上の中から選ぶのだが、結果は驚くことなかれ、1の給与アップでなく、4のリコグニションだった。
その時、初めて気付かされた。人の1番の欲求は「認めて欲しい」ということなのだと。
人はシカトされることを1番嫌うってことなのだろうか。
つまりきっちりと応答もされ、また評価もされ、認められさえすれば嬉しい。そして、そこから給与アップにもつながってくるということのようだ。
そんな【認】、人生にとって非常に大事な漢字なのかも知れない。
40―4 【坂】
【坂】、右部の「反」は崖に手を掛けてよじ登る形だとか。そのような地勢が【坂】。
最近のダイハツのCMに「ベタ踏み坂」がある。
豊川悦司と綾野剛が急勾配の橋を上りながら、豊川が「ベタ踏みでしょ?」と訊く。それに綾野が「いいえ」と答える。
このCM、ちょっと前知識がないと何のことかわからない。
まず、「ベタ踏み」は床の間に隙間がないほどべた足で、車のアクセルを踏み込むこと。つまりエンジンを目一杯に噴かすことだ。
「ベタ踏み?」、「いいえ」の会話。
だからこの車は、映像に映し出されたこんな急勾配の【坂】でも、噴かさず軽々と登れるパワーを持ってるよ、と言いたいのだろう。
この注目の「ベタ踏み坂」、実は松江市の江島と鳥取県境港市を結ぶ「江島大橋」。
全長は1,446.2m、最頂点は水面から44.7m、そして勾配は6.1%。
映像では目の前に急勾配の坂が立ち上がってる。
そんな印象を持つが、日本一急な坂の勾配は37%、その約6分の1と、正直あまり大したことのないのだ。
すいません、フーテンの寅が~~それを言っちゃぁお終ぇよ~~と言うかもね。
それにしても、「まさか」と言う【坂】が一番の急勾配とも世間では言われてる。
40―5 【三】
【三】、数を数える算木を三本重ねた形。明らかにそうだと思う。
そんな【三】、現在世の中の話題は三次元(3Dimensions)技術。
その一つが3Dプリンター。
縦横高さの物体の形をコピーできる。
例えば、りんごとかカップ、さらに人間の頭部から内蔵など。
現在実用化も進み、ヤマダ電機で市販され始めた。その気になるお値段は16万円。
ちょっと高価だが、今後を期待したい。
そしてもう一つの技術が――近未来には町に溢れるであろう「空中ディスプレイ:エアリアルイメージング」だ。
広島にあるアスカネットという会社が量産に向けて現在邁進中だ。
この技術、要は特殊なプレートを使って空中に映像を結像させることができる。
例えば3Dエアリアルイメージングで人の映像を空中に浮き上がらせることが可能。まるでSFの世界だ。
そして、これでタッチパネルなどの映像を作れば、ボタンに触れなくとも操作できることになる。衛星管理が要求される所では実現が待たれている。
下記のサイトに紹介されているが、その技術に驚くしかない。
http://matome.naver.jp/odai/2138503460418798101
とにかく【三】、いつの世も時代の先端にある漢字のようだ。
40―6 【低】
【低】、右部は「氏」と「一」の組み合わせ。これはナイフで底を削って低くする意味だとか。
そして左部の人偏で、人が姿勢を低くすることを【低】というらしい。
まさに平身低頭ってことか。
そんな【低】、山にもそれはそれは低い山がある。
大阪市港区の
その高さはなんと4.5メートル。
そして2番目に低い山が仙台市の
それが今回、国土地理院が東日本大震災後の被災地沿岸の地形を測量した。そして判明した。
津波で削られた日和山は――標高3メートルの山になっていたのだ、と。
これにより晴れて日本一低い山となった。
その動画がある。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20140410-00000032-ann-soci
えっ、これって山? と言いたいが、訪ねる人も増え、少しでも復興の足しになれば……と願いたい。
時間とお金があれば、日本国旗を立てに行きたいが。
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