概要
様々な女子大生が送る、ゲスくていとおしい日々。
女子の気持ちは、めんどくさい。あの子は『親友』のはずなのに、私より幸せにならないで欲しいと願ってしまう。美人な幼馴染みの「隣の子」でいるのはもう嫌だ。幸せの量は限られているから、それを誰にも渡したくない。―― 某大学のミスコンの裏で起こされるSNSがらみの事件を中心に、様々な女子大生の真っ黒な内面が、暴かれる。
※互いが少しつながりあう短編集です
※互いが少しつながりあう短編集です
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!手折りたくなるような、醜く愛おしい美しさ
薄氷のように脆く、針のように繊細、温かみもなくもつれた糸のような少女達の関係性は、幼さという狭い世界の中で、憐れで惨めで、だからこそ健気に思える。
過去、互いの心にしこりとなる種を植え付けた者同士が、四季を巡り芽生えた根と蔦によって絡め取られていくかのような物語。
女性読者にとって、この描かれる心理描写は目を背けながらも頷かざるをえない共感を呼ぶはずだ。
共に絡み合いながらでないと、幸せという光に届かない、咲くことの出来ない醜い美しさは愛おしく、手折りたいとさえ思わせてくれる。
幸せを分かち合うことは出来るのか、その幸せに総量はあるのか。
或いは側にいなければ、もっとマシ…続きを読む